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シン・エヴァンゲリオン新劇場版

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「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(2020日)星3
ジャンルアニメ・ジャンルアクション・ジャンルSF
(あらすじ)
 荒廃したパリで葛城ミサト率いるWILLEが「ユーロNERV第1号封印柱」の復旧作業を進めていた。作戦は見事に成功しパリは救われた。その頃、ニアサードインパクトを引き起こした碇シンジはアスカとレイ(仮称)と共に復興した第3村にたどり着く。そこではシンジのかつての旧友たちが平和な暮らしを送っていた。
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(レビュー)
 1995年にテレビ放映された「新世紀エヴァンゲリオン」を新解釈でリブートした劇場版「ヱヴァンゲリヲン」シリーズ全4部作の最終章。
 これまでに「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」(2007日)、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」(2009日)、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」(2012日)と製作されてきた。本作はそのラストとなる。

 尚、自分はこれまでの前3作はテレビで鑑賞済み。ついでに言うとオリジナルのTVシリーズと、その後に製作された旧劇場版「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」(1997日)、「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」(1997日)も観ている。

 とりあえず過去作品を観ていればすんなりと入れるだろうが、今作単体で観るとかなり厳しい内容ではないかと思う。はっきり言うと一見さんには不親切な内容である。一応アバンタイトルで、これまでのあらすじのようなものが簡単に紹介されているが、ダイジェストではなく単に場面を切り貼りしただけなのでそれを見てもよく分からないだろう。少なくとも前3作を鑑賞したうえで観ないと今回の内容を把握するのは難しいと思う。

 最初のTVシリーズから実に25年という長い歳月を経て、今なお作り続けられているこの一大コンテンツはもはや日本アニメ界においても「宇宙戦艦ヤマト」、「機動戦士ガンダム」に並ぶ長期タイトルになっている。それだけに多くのファンに支えられてきた作品なのだが、個人的にはTVシリーズと旧劇場版の終わり方には大いに不満を持っていた。一言で言うと、商業作品としていかがなものか?という疑問を抱かさるを得ない結末の付け方で、なんだか物語を放り出されてしまった印象を受けたのだ。それゆえ良くも悪くも今回の最終章については個人的に注目していた。

 しかして、随分とスッキリとした気持ちで観終えることができた。むしろ終盤のシンジの父であり適役であるゲンドウのモノローグなどは分かりやすすぎるくらいで(説明的すぎるきらいもあるが)、明らかに商業作品として至極まっとうに作られていると思った。おかげでテレビシリーズと旧劇場版のモヤモヤを一気に解消することができた。

 ただし、新劇場版ならではの新キャラやキャラ改変、展開の新味はあったが、結局はTVシリーズと旧劇場版の焼き直し以上の”何か”があったわけではない。前作であれだけ意表を突く展開を見せてくれただけに、どんな”からくり”を見せてくれるのかと期待したが、結局落ち着くところに落ち着いた…という印象である。そういう意味では肩透かしを食らった気分にもなった。

 その後のエピローグについては自分の中でも解釈がはっきりとしなかった。監督庵野秀明が、登場人物たちにもう一つの人生(エヴァに乗らなかった人生)をプレゼントした…という意味に解釈すればナイスエンディングであるが、監督の私的な思惑からこうしたのであれば困惑してしまう。後から知ったが、ラストシーンの舞台は庵野監督の思い出の場所ということだ。

 また、細かな点では色々と説明不足な個所があり、特にクライマックスにおける情報量の多さには追い付いていくのがやっとという感じで、この辺りは煙に巻かれてしまった感がある。

 映像に関しては、迫力の戦闘シーンについては申し分ない。また、Aパートである第3村における日常風景も地味ながら丁寧に描写されていて良かったと思う。特に、アスカがシンジの口に無理やりレーションを突っ込むカットの迫力は尋常ではなかった。食することが人間の本能と言わんばかりである。
[ 2021/04/05 00:23 ] ジャンルアニメ | TB(0) | CM(0)

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