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ギドク・スタイル極まる!
だが、余りにも高みにイキすぎて、今回は見上げるだけになってしまった‥。
弓
(2007/02/23)
チョン・ソンファン

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「弓」(2005韓国)星3
ジャンルロマンス
(あらすじ)
 大海に浮かぶ船上で老人と少女は暮らしていた。少女は10年間、船から下りたことが無い。老人は釣り舟漁船と弓占いをして少女を養っていた。ある日、少女は客の青年に恋してしまう。老人は2人の仲を引き裂こうとするのだが‥。
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(レビュー)
 老人と少女の歪んだ愛憎を船上という限られた空間で描いた寓話。

 監督・脚本は鬼才K・ギドク。かなりクセのある作風を持った監督だが、世界中に多くのファンを持っている。実は、俺もその一人なのだが、本作に限って言えば期待を裏切られた‥と言わざるを得ない。
 確かにギドクらしいという意味では”らしい”のだが、演出にしろストーリーにしろ余りにもこちらの斜め上を行き過ぎていて理解しがたいところがある。それと、確信犯的に造形された美意識が少々鼻につき、ドラマの邪魔になってしょうがなかった。

 老人と少女は一切会話をしない。会話の代わりに行動が2人の関係を説明していく。この試みは面白いと思った。ギドクは「うつせみ」(2004韓国日)でも、同じように男女の言葉無き恋愛を描いたが、本作は更にそれを推し進めた形で本当にセリフがない。独特の緊張感があってかなり寓話性も強調されている。
 そして、老人と少女に男女関係を落とし込む恋愛構造も、いかにもギドク的な”アブなさ”に満ちていて興味深く見れた。キッチュなセクシャル描写も登場し、それが一層この”アブなさ”に拍車をかけている。
 このようにギドク”らしさ”は健在で唸らされるばかりなのだが、しかし本作にはのめり込むほどの魅力は感じられなかった。

 なぜかというと、一つは音楽という重要なモチーフの表現の仕方に不満を感じたからだ。老人と少女をつなぐ弓の演奏シーン。ここに男女の甘美な交流をもっと投影して欲しかった。
 弓は音楽の道具だが、占いの道具にもなる。弓占いをあれほど印象的に撮っているのに対して、演奏シーンは余りにも淡白にしか撮っていない。弓が表現する2人の関係は演奏の甘美と占いの残酷である。これが均等に対にならないと二人の愛憎も中々真に迫るものまでにならない。

 のめり込むまでに至らないもう一つの理由は、 クライマックスの描き方にある。いかにもギドクらしい表現主義なのだろうが余りにもぶっ飛びすぎている。ここまで表現主義に逃げられてしまっては呆気にとられるばかりだ。むしろ、二人の結末を正面から描いていない‥という気にさえなってしまう。

 映像派作家であるギドクの表現主義は諸刃の刃である。ピタリとハマると感動に繋がるが、その感性に追いついて行けないとワケが分からない‥ということになりかねない。今回は後者の意見だ。理解の範疇を大きく超えるもので残念だった。
[ 2008/07/22 01:01 ] ジャンルロマンス | TB(0) | CM(0)

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