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ファイティング・ファミリー

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「ファイティング・ファミリー」(2019米)星3
ジャンルスポーツ・ジャンル青春ドラマ
(あらすじ)
 イギリス北部の小さな町で暮らすナイト家は筋金入りのプロレス一家。18歳のサラヤもプロレスを心から愛し、いつかは世界で活躍する選手になりたいと夢みていた。そんなある日、彼女は兄のザックとともに憧れの世界的プロレス団体WWEのトライアウトに参加するチャンスを得る。

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(レビュー)
 WWEで活躍した実在の女子プロレスラー、ペイジの半生を描いた青春スポ根ドラマ。

 自分は少し前にWWEを見ていた時期があったのだが、その時にはペイジは華々しい活躍を見せていた”ディーバ(女子レスラーのこと)”だった。いわゆるヒール(悪役)としての立ち位置を確立し、男性ばかりが目立つWWEにおいて女子部門の復権に一役買った選手だったように思う。

 そのペイジの半生を描いたドキュメンタリー映画が2012年に「The Wrestlers: Fighting with My Family」というタイトルで製作された(未見)。本作はそれを元に作られたフィクション作品である。

 ”フィクション”ということからも分かる通り、本作には色々と事実と異なる点がある。例えばロック様とペイジの初対面はここで描かれている時期よりもずっと後であるし、そもそも彼女はWWEのトライアウトを一度落ちている。
 このように事実の改ざんは確かにある。ただ、基本的には彼女の辿ってきた半生は概ね忠実に再現されており、個々の改ざんはドラマを面白くしようとするための工夫、演出という認識で、自分は特に気にならなかった。

 物語はテンポよく展開されている。サラヤの葛藤もきちんとツボを押さえられており、全体的にはそつなく仕上げられていると思った。非常にオーソドックスなサクセスストーリーと言えよう。

 個人的には、サラヤと一緒にプロレスをしてきた兄ザックの姿にしみじみとさせられた。彼はサラヤと一緒にWWEのトライアウトを受けるのだが、自分だけ落ちてしまう。WWEは選手にスター性やカリスマ性を求める団体であり、それがないとバッサリと切り捨てられてしまう。残念ながらザックにはその素養がないと判断されたのだろう。結局、彼は田舎に戻ってインディー団体で細々と活躍し続けることになる。サラヤに差を付けられたという悔しい思いは痛いほどよく分かる。そして、そんな彼が落ち込んで帰ってきたサラヤを勇気づける姿にはジーンと来てしまった。

 このように本質的にはプロレス映画という体を取っているが、その中身は兄妹の愛憎を描いた良質なドラマになっている。只のスポ根映画とは違い、一定の味わいを持った好編で中々の見応えを感じた。

 サラヤを演じるのはフローレンス・ビュー。「ミッドサマー」(2019米)や「ストーリ・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語」(2019米)、「ブラック・ウィドウ」(2020米)等、今や話題作に引っ張りだこの若手女優である。そんな彼女が、ここでは体を張って慣れないプロレスに挑戦しており、そこも大きな見どころである。
[ 2021/07/22 00:04 ] ジャンル青春ドラマ | TB(0) | CM(0)

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