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ワンダーウーマン

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「ワンダーウーマン」(2017米)星3
ジャンルアクション・ジャンルファンタジー
(あらすじ)
 女性だけが暮らすアマゾン族の島に生まれ育ったプリセンスのダイアナは、最強の戦士になるべく、日々過酷な訓練に打ち込んでいた。そんなある日、外界から隔絶されているその島に、アメリカ人パイロット、スティーブが乗る飛行機が不時着する。初めて見る男の姿に興味津々のダイアナだったが、スティーブから外の世界では大きな戦争が起こっていると聞かされ…。


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(レビュー)
 DCコミック原作「ワンダーウーマン」の実写映画化作品。

 監督は衝撃の実録犯罪映画「モンスター」(2003米)を撮った女流作家パティ・ジェンキンス。前作とガラリと変わり娯楽テイストを全開に、そこかしこに女性ならではの繊細さや胸キュンシーンを盛り込んだ快作となっている。

 例えば、アマゾン島を出たダイアナがスティーブに連れられてロンドンの町を巡るシーン。ダイアナが洋服店で新しい服を選ぶシーンなどは、キャラクターに対する愛着感、親近感を自然と湧き起こさせてくれる。
 全体的に戦時下ということもあり決して晴れやかな景観ではないのだが、ダイアナとスティーヴが街の中を並んで歩くだけで何となくデート中のカップルみたいに見えて微笑ましく感じられた。

 このシーンを含め、本作にはダイアナのカルチャーギャップ・ネタが色々と登場してくる。何せ外界から隔絶された世界で成長した世間知らずなお姫様であるダイアナにとって、人間界は見るもの聞くもの全てが新鮮である。そして、そんな彼女を見た周囲の人間のリアクションも可笑しかった。

 ただ、物語は終盤に行くにつれて徐々にハードになっていく。元々がそういう出自のジェンキンス監督なので、終盤のハードな演出は乗りに乗ってやっているという感じがした。
 例えば、ダイアナとスティーヴの別れのシーンにおける無音演出などは実に切なくさせる。ここは感動的だった。

 もっとも、その後に同じシーンを回想で反復させたのはいただけなかったが…。これではせっかくの味わいが台無しである。

 アクションシーンはCGを駆使しながら中々上手く作られていたと思った。特に、ダイアナがドイツ軍に占領された村人を救おうと最前線に立ちはだかる姿の勇ましさといったらない。襲い掛かる銃弾を次々とはじき返しながら敵陣に向かっていく姿は、彼女の正義感と勇気、心の強さを見事に表してる。

 しかし、クライマックスの敵ボスとの戦いはやや工夫が足りないと感じた。そもそも今回の敵ボスにあまり強さを感じないのが残念である。これではあまり盛り上がらない。

 また、これは脚本上の失敗だと思うのだが、今回の戦いにはスティーブを含め4人の仲間が加わる。いずれもスーパーヒーローではなく普通の人間なのだが、彼らをストーリーに上手く活用できていないのも残念だった。特に、臆病な狙撃手チャーリーの扱いは中途半端である。彼にもそれ相応の活躍場面を用意してあげないと一体何のために登場させたのか分からなくなってしまう。実に勿体なく感じた。

 キャストでは、ダイアナを演じたガル・ガドットの魅力が抜群だった。美しく逞しいヒロインを凛々しく体現し、原作のイメージを壊さず見事に演じきっている。また、スティーブに対するほのかな想いも上手く表現しており、ビジュアルのみならず演技自体のクオリティもかなり高い。
[ 2021/09/08 00:32 ] ジャンルアクション | TB(0) | CM(0)

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