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ヒックとドラゴン 聖地への冒険

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「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」(2019米)星3
ジャンルアニメ・ジャンルファンタジー・ジャンルアクション
(あらすじ)
 成長したヒックは亡き父ストイックの遺志を継ぎ、若きリーダーとしてバーク島を治めていた。やがてドラゴンが増え過ぎて島が定員オーバーになってしまうと、ヒックは新天地への移住を決断する。かつて父から聞いた“幻の聖地”を探すために相棒のトゥースと新たな冒険に出発するのだが…。
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(レビュー)
 バイキングの少年ヒックとドラゴンのトゥースの友情を描いた世界的児童文学をアニメーション化した作品。本作が三部作の最終章となる。

 尚、時系列的には前作から1年後の設定になっており、ヒックはバーク島の若きリーダーとして頼もしく成長している。幼なじみのアスティとの恋模様や、相棒のドラゴン、トゥースとの友情など、これまで培ってきたドラマが本作で大団円を迎えることになる。できれば前2作を観たうえでの鑑賞をお勧めする。

 さて、今作のトピックは何と言っても白い謎のドラゴン”ライト・フューリー”の登場だろう。これまで戦いの中に生きてきたトゥ―スとの間に恋愛が育まれていく。慣れ親しんだ土地バーク島からの再出発を描く”本ドラマ”とリンクするかのようにトゥース自身も”巣立ち”を果たしていく。クライマックスは予想どうりというべきか、「あらいぐまラスカル」よろしく感動的なエンディングが待ち受けている。

 これまでヒックとトゥースの成長と友情を観てきた者として、このクライマックスには感慨深いものがあった。物語の最後を締めくくるという意味では至極まっとうな、そしてこれ以外に考えられないナイス・エンディングである。

 ただ、本作単体で観た場合、前2作ほどのドラマ的な面白さが感じられなかったのも事実である。
 というのも、ヒックの成長ドラマとして見た場合、物語は前作でほとんど語り尽くされており、そこについての上積みはほとんど見込めない。残るはアスティと結ばれるかどうか?ということくらいで、ヒックのドラマ自体は前作でほぼ完結していると言っても過言ではない。

 また、今回適役として新たに登場するドラゴンハンター、グリメルも、これまでの悪役との差別化があまり図られおらずマンネリ感が否めない。造形面でもう少し工夫が欲しいところである。

 更に、前作であれほど重要な役回りを持たされていたヒックの母親もここでは影が薄く、なんだか勿体ない扱い方をされている。せっかくの伏線である。母子の関係を更に濃密に描くことで、ヒックのリーダーとしての葛藤に今一歩踏み込んで欲しかった気がする。

 他にもシナリオ上の不満が残る。ヒック側とグリメル側の間で、後を追跡されるという展開が何度か繰り返され興が削がれてしまった。

 映像はこれまで同様、実に素晴らしい完成度を誇っている。3DCGで作り上げられた世界観は実に美しく壮大で、ファンタジックな雰囲気を存分に堪能できた。

 尚、wikiによれば監督は前作の悪役ドラゴを結末部で復活させる構想を持っていたらしい。ところが、ドリームワークスの創設者の一人スティーブン・スピルバーグに却下され結果的にはその構想はお蔵入りになったそうだ。ということは、もしかしたら当初はシリーズ継続の考えもあったのかもしれない。
 本作の後にテレビSPとして「ヒックとドラゴン 受け継ぐものたち」(2019米)という短編が製作されたが、そちらは本作のラストに至る前日弾といった内容で、映画の続編という事ではないらしい(未見)。
[ 2021/10/07 00:58 ] ジャンルアニメ | TB(0) | CM(0)

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