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光のほうへ

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「光のほうへ」(2010デンマーク)star4.gif
ジャンル人間ドラマ・ジャンル社会派
(あらすじ)
 アルコール依存症の母親に代わって赤ん坊の面倒を見る幼い2人の兄弟がいた。しかし不幸にも赤ん坊は死んでしまい、兄ニックは心に深い傷を負う。それから数十年後、彼は刑務所の出入りを繰り返していた。一方、兄と疎遠になっていた弟も麻薬に溺れ、そのせいで最愛の息子との暮らしを危険にさらしてしまう。

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(レビュー)
 過去のトラウマを引きずって生きる兄弟の葛藤をシリアスに綴ったヒューマンドラマ。育児放棄や薬物中毒、DVといった問題が出てくる中々骨太な作品である。

 ニックと弟は、幼い頃に赤ん坊を放置して死なせてしまったことから心に深い傷を負っている。ニックは恋人と別れて刑務所に服役している。刑期を終え出所すると、元恋人の弟イヴァンに誘われる形で再び更生の道を閉ざしてしまう。
 一方の弟は妻を亡くして幼い息子と暮らしているが、こちらも過去のトラウマからドラッグに溺れ、仕事もなく薬物ディーラーにまで落ちぶれている。

 映画は過去の幸せそうだった風景から一転、赤ん坊の死で幕開けする。その後は成長した兄弟の日常を交互にスケッチしながら二人の絆の再生をじっくりと描いて見せている。

 観てて非常に重苦しい作品である。しかし、ラストに訪れるかすかな希望にはホッと安堵させられた。このラストを導くためにこれまでのドラマがあったのか、と考えると鑑賞感も決して悪くはない。

 監督、脚本はトマス・ヴィンダーベア。
 ヴィンダーベアは、同郷のラース・V・トリアーと共に「ドグマ95」を共同で設立した作家である。ドグマ95は、照明の不使用、手持ちカメラによる撮影、オールロケ等の決まりごとがあり、デンマークの独立系映画界に強い影響を与えた一派である。ただ、現在ではトリアーは規則に捕らわれない映画作りをしており、もはやその存在は形骸化してしまった感がある。とはいえ、既存の商業映画と一線を画した撮影、演出を原則としたそのスタイルは今でも様々な映画作家に受け継がれている。もちろんヴンダーベアもその一人である。

 本作では照明を使用しない、手持ちカメラによる撮影というスタイルが貫かれており、かつてのドグマ95の作風を彷彿とさせる作りになっている。

 最も印象的だったのは、兄弟が刑務所で再会するシーンだった。中庭を挟んでお互いに鉄格子越しに声にならないコミュニケーションを取ろうとする。何年も会ってないのにこんな偶然の再会などあるのか?と思うものの、神様が授けた粋な計らいと考えれば中々味わい深いシチュエーションだ。

 また、ラストも印象に残った。オープニングをラストで反復させる構成の妙に痺れた。
[ 2022/02/15 00:38 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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