「ハッピー・デス・デイ」(2017米)
ジャンルホラー
(あらすじ) 高飛車でビッチな女子大生ツリーは誕生日の夜にベビー・マスクをかぶった何者かに殺されてしまう。ところがそれは夢だった。目を覚ますと再び誕生日に戻っていてツリーは同じ日を何度も繰り返すようになっていく。
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(レビュー) いわゆるタイムループ物だが、最後にどんでん返しが用意されていて面白く観れる作品だった。ホラー映画であるが、そこまで残酷な描写もないのでライト層でも十分に楽しめると思う。
自分は本作を観てビル・マーレイが主演した「恋はデジャ・ブ」(1993米)を連想した。劇中にもセリフとして登場してくるので、製作サイドはある程度確信犯的に狙ってやっていると思うが、こういうループ物は如何にして主人公がそこから抜け出すか?そのアイディアとラストの爽快感が大切だと思う。
ツリーはシミュレーション・ゲームよろしくリセット→チャレンジを繰り返しながら、犯人に殺されないルートを模索する。しかし、相手はどこに逃げても追いかけてきて結局殺されてしまう。そうこうしながら、彼女は犯人に繋がる手がかりを探り当ていく。ここから彼女の反撃と相成るのだが、二転三転する展開が待ち受けていて中々面白かった。
監督は新鋭のクリストファー・ランドン。名作ドラマ「大草原の小さな家」の主演兼プロデューサーを務めたマイケル・ランドンの次男である。これまでは脚本家として活躍しており、例えば「パラノーマル・アクティビティ」シリーズや、以前このブログでも紹介した
「ディスタービア」(2007米)等のシナリオを手掛けている。いずれも設定のユニークさが際立つシチュエーションスリラーで、この手のジャンル映画の中ではよくできた作品だった。
本作ではユーモアを交えながら繰り返される日常を飽きなく見せており、脚本の構成力、演出の力量は中々の物だと感じた。二転三転するクライマックスも予想外で面白かった。
ただ、どうしてタイムループするのか?その理由付けが今一つ説得力に欠けるのは残念だった。SF映画ではないのでそこは軽くスルーすればいいのだが、気になる人には気になるだろう。自分は少し釈然としないものが残った。
製作は
「ゲット・アウト」(2017米)や「インシディアス」シリーズ、「パージ」シリーズ、「パラノーマル・アクティビティ」シリーズ等、昨今のホラー映画界を牽引する名プロデューサー、ジェイソン・ブラム。活きの良い新人監督を起用しながらホラージャンルに新風を吹き込む手腕はここ最近冴えわたっている。本作も全米でスマッシュヒットを記録し続編が製作された。