「ハッピー・デス・デイ 2U」(2019米)
ジャンルホラー
(あらすじ) ようやく恐怖のループから抜け出すことができたツリーだったが、今度はカーターのルームメイト、ライアンが死のタイムループに巻き込まれてしまう。そこにはライアンが研究している謎の実験装置が関係していた。ツリーとカーターはライアンを救出しようとするのだが…。
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(レビュー) 全米でスマッシュヒットを飛ばしたホラー映画
「ハッピー・デス・デイ」(2017米)の続編。
監督・脚本は第1作と同じクリストファー・ランドンが務めている。
今度はヒロインの恋人カーターのルームメイト、ライアンが死のタイムループに巻き込まれてしまう。ただ、前作と全く同じでは芸がないと思ったのか、今度はそこにパラレルワールドの要素を持ち込み、二転三転する物語を組み立てている。
もっとも、パラレルワールドのアイディア自体は隠し味的な使用に終始し、最終的には前作同様、ベビー・マスクの殺人鬼との追いかけっこで盛り上げられておりマンネリ感は否めない。どうせやるのであれば、D・ヴィルヌーヴ監督の
「複製された男」(2013カナダスペイン)くらい徹底してくれればよかったが、あそこまで複雑になってしまうと観る方も頭が混乱してしまうか。
前作ではタイムループの原因に釈然としないものを感じたが、今回はそこを明らかにしている点は良かったと思う。とはいっても、かなり安易な気がして面白みに欠けるのが難点だが…。
この手のお気楽エンタメ作品にSF的な考証など求めてはいないが、ラストで再び言及されているので、せめて何らかの”それらしい”説明は欲しかった気がする。
全体的には二番煎じな感がしてしまうのはアイディアの枯渇と言って良いだろう。そもそも一発ネタ的な所があるので、それも致し方なし。
ただ、前作にはない面白みは確実にある作品だと思う。
その一つは、ツリーの葛藤である。今の世界に留まるか、別の世界へ行くのか?あちらを取ればこちらが立たず、こちらを立てればあちらが立たず、というジレンマに彼女は思い悩まされる。前作にないウェット感も感じられ、この葛藤には見応えを感じた。
尚、今回のオチを見る限り、ひょっとしたら製作サイドは第3作の構想でもあるのかもしれない。
ツリーやカーター、ライアンといったメンバーの息の合ったチームプレイが楽しく描けていたので、第3弾があればぜひそのあたりのドタバタ劇を見てみたいものである。