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ボーイフレンド

「ボーイフレンド」(1971英)星3
ジャンル音楽・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 1920年代のイギリスの場末の劇場。雑用ばかりさせられている引っ込み思案なポリーは、主演女優が怪我をして公演に出られないため代役で出演することになる。戸惑いながらもステージに立つポリーだったが、そこにはハリウッドの一流監督が見学に来ていて…。

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(レビュー)
 バックステージの雑用係の女性が夢と希望を求めて奮闘する姿を軽快な音楽とダンスで綴ったミュージカル映画。

 監督、脚本は鬼才ケン・ラッセル。キッチュなアールデコ調のメイクと衣装、絢爛豪華な舞台美術等。独特な見世物小屋観が浩々と画面に展開されており、まさしくケン・ラッセルにしか作りだせないミュージカル劇になっている。
 ただ、巨大なレコード盤のセット上の群舞など、華やかりしMGM的ミュージカルを意識したような演出も散見される。本来のケン・ラッセルらしい毒々しさはかなり薄みで、そういう意味では他の作品に比べると随分と取っつきやすくなっている。

 一方、物語自体はステージ上の演目と舞台裏を交互に描くリアルタイムドラマで、存外シンプルである。女優志望のポリーの奮闘を、周囲の人間模様を絡めながら描くというバックステージの物語は適度にユーモアを交えながら肩の力を抜いて観ることができた。

 しかし、見所はやはりステージ上でのパフォーマンスとなろう。
 メイン所のキャストはイギリスの舞台で活躍している俳優も含まれているそうなので、歌もダンスも見応えとしては十分である。特に、背の高いタップダンサーのパフォーマンスが印象に残った。

 ポリー役はモデル出身のツィッギー。本作が映画初主演ということで、どうなるかと思ったが中々どうして、健闘している。さすがに周囲の舞台俳優陣と比較してしまうと厳しいものがあるが、逆に新人女優らしい初々しさがあって良かったと思う。
 ただ、60年代後半の彼女のスチールなどを見ると、本作よりもずっと若々しく魅力的に撮られている。時代の流れもあるので仕方ないかもしれないが、それらと比べると本作の彼女は少し老けてるように見えた。本来の魅力を引き出せなかったことは少し悔やまれる。

 尚、本作は劇場公開時は110分だったが、その後135分の完全版がリリースされた。今回は完全版での鑑賞である。
[ 2022/03/29 00:32 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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