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ぐるりのこと。

こういう夫婦の形もありかな‥しみじみと思わせる映画。
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「ぐるりのこと。」(2008日)star4.gif
ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)

 1993年、小さな出版社に勤める翔子は、自堕落なアルバイト青年カナオと結婚する。カナオは元々日本画を専攻していたこともあり、知人の伝手で法廷画家の仕事に転職する。ベテラン記者や先輩画家に囲まれながら徐々にやりがいを見い出していくカナオ。その頃、翔子のお腹には新しい生命が誕生していた。しかし、幸せも束の間。赤ん坊は生まれてすぐに死んでしまった。翔子は自責の念に駆られ鬱病にかかる。カナオは彼女を見守ることしか出来なかった。
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(レビュー)
 ある夫婦の10年に渡る軌跡を、時にユーモラスに時にシリアスに綴ったドラマ。

 赤ん坊の死をきっかけにダウナー・ムードに突入していくが、ここでかつての幸せムードが思い出される。このギャップに図らずも涙してしまった。

 夫婦といってもその関係は様々である。この映画には幾つかの夫婦が登場することに注目したい。
 別居状態にある翔子の両親。バブルに踊らされる翔子の兄夫婦。画面には登場しないが、ある意味で翔子達と同じ境遇にいるであろうベテラン記者と妻の関係。彼等は夫々に問題を抱えているが、どうにか夫婦の絆を維持している。
 ここで一つはっきりと言える事は、夫婦の問題はその中でしか処理することが出来ない‥ということだ。

 鬱病を患った翔子にカナオはどう接すればいいのか分からなくなる。これは非常に難しい問題である。しかし、誰も助けることが出来ない。むろん医師や友人などサポートできる人間はいるが、最も近しい存在であるカナオ自身が考えなければならない問題なのだ。何かと難しい鬱病の問題だが、今回の物語は一つのケーススタディとして興味深く見る事が出来た。

 ただし、この鬱展開が映画の大半をかけて描かれているので、見る人によってはつらく感じるかもしれない。実際、自分も少し長すぎて見ていてかなり疲れる映画だった。映画が発する問題意識の高さにちては理解できるのだが、エンタメ性を考えた時にこれは少し割を食ううだろう。もう少しコンパクトにまとめてくれると尚良かったと思う。
 更に、欲を言えば、二人を取り巻く周縁の反応ももう少し見てみたかった気がする。どうしてもドラマが局所的で広がりに欠けてしまう。

 翔子を演じるのは木村多江。クライマックスにおける彼女の演技には胸打たれた。彼女の演技を途切れることなく追ったロングテイクと、ありのままに吐き出されるナチュラルなセリフが魅力的である。
 カナオを演じるのはリリー・フランキー。彼の飄々とした言い回しには不思議と温かみをおぼえる。下ネタが過剰だが、それもカナオのキャラクターという所で割り切れて見れた。

 また、時代背景を法廷シーンに投影し、一種のモキュメンタリズムな風貌を見せたところも面白く見れた。宮崎勤事件やオウム事件、大阪の児童連続殺傷事件等、実際に起こった事件を固有名詞を変えて所々に挿入している。子を失った翔子の喪失感とリンクさせた構成もよく考えられていると思った。
ぐるりのこと。@映画生活
[ 2008/08/04 19:07 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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