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BULLY / ブリー

L・クラークはメインストリームから外れた監督である。決して万人にはお勧めできない。
若者達のコミュニティーを閉塞的に描く彼は、今の時代稀有な作家と言っていい。
BULLY / ブリーBULLY / ブリー
(2003/11/21)
ブラッド・レンフロ、ニック・スタール 他

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「BULLY ブリー」(2002仏米)星3
ジャンル青春ドラマ
(あらすじ)
 高校生マーティとボビーは幼馴染。親友のように見えるが本当のところは違う。マーティはいつもボビーに小突かれ、まるで下僕のように扱われていたからだ。マーティは腹の底ではボビーを憎んでいた。ある日、バイト先で知り合った少女アリとリサを連れてサーフィンへ繰り出す。その夜、二人は彼女達をモノにした。その後、マーティはリサから妊娠を打ち明けられる。彼の脳裏に悪い予感が芽生え始めていた。もしかしたらボビーの子供かもしれない‥と。その頃、ボビーの悪辣な言動は日増しに増長していった。アリをみだりに辱めたのをきっかけに、リサの中で殺意が芽生え始める。
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(レビュー)
 実際にあった事件をモデルにした青春犯罪劇。
 監督は、スモールタウンに住むティーンエージャーを題材にスキャンダラスな作品を撮り続けるL・クラーク。作中の若者達に向けられる氏の眼差しは常に冷徹で軽んじるところがない。観客をチラ見しながら媚を売るような姿勢が一切無い所に俺は好感が持てるのだが、おそらく一般的な良識を持った人ならば本作を見て怒るだろう。ポルノ的な表現や肉体破壊・精神崩壊のような目を覆いたくなるような描写が多分に盛り込まれているからだ。しかし、そこから目をそむけたらリアルなものなど描けるだろうか?

 さて、本作は実話の映画ということでかなり神経を使う代物だが、L・クラークにとってそんなことはお構いなしのようである。若者達は学校にも行かず昼間からヤクをやり、乱交セックスに興じる。夜はゲイバーに繰り出しハイウェイをぶっ飛ばす。いかにもクラークらしい生々しい描写の仕方だ。
 そして、そんな乱痴気騒ぎは、ある日突然終わりを告げる。

 それまでボビー殺害計画を談笑していた彼等は、いざそれを実行するという段階になって急に怖気づく。普段はヤクでろれつが回らないドニーでさえ素に戻り恐怖する。このシーンはコメディのようにも写るかもしれないが、天国から地獄へ叩き落されるというのは案外、こういうことなのかもしれない。ゲームや小説の中での体験とは違う。現実に他人の命を奪うということは、それほどまでに大きな罪科を伴うということなのだ。このシーンはそれを真面目に語っているように思った。終盤にかけて彼等はようやく罪の意識に苛まれる。しかし、こうなってからでは後の祭りである。
 問題提起の仕方としては非常にストレートである。そして、彼ら若者達の浅はかな考え方には色々と考えさせられるものがあった。

 ただ、今作の場合、テーマはストレートに発せられていてよく理解できるのだが、ドラマ構成に難がある。日常描写が冗漫で、彼等の罪の葛藤に迫る所までの展開がやや水っぽく写る。個人的にはその葛藤にこそ重点を置いて欲しかったのだが‥。おそらくL・クラークにとって最重要なのはあくまで若者達の"日常描写″であって、いわゆる罪の意識を深くえぐるような「罪と罰」の物語はそれほど関心が無いのだろう。彼はこれまでも、そしてこれからもティーンエージャーの“日常”を最重要に撮り続ける監督なのだと思う。
[ 2008/02/13 15:58 ] ジャンル青春ドラマ | TB(0) | CM(0)

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