「デッドガール」(2008米)
ジャンルホラー・ジャンル青春ドラマ
(あらすじ) 高校生のリッキーは同級生のJTに誘われて、廃病院に忍び込み、そこで拘束された全裸の女性死体を発見する。ところが死体だと思っていたそれは不死の女だった。リッキーは逃げようと言うが、JTは彼女の裸体を障り始め…。
ランキング参加中です。よろしければポチッとお願いします!


(レビュー) 広義の意味でのゾンビ映画になるのかもしれないが、少しコリポレ的に危い内容かもしれない。ゾンビとはいえ全裸の女はレイプされいたぶられ、まるで性具のように扱われるからだ。観る人によっては、嫌悪感を抱くかもしれないだろう。
しかも、この映画は理性を持ったリッキーを主人公としながら、最終的には彼自身もその理性を失ってしまうという所にオチを持って行っており、これも観る人によっては賛否分かれるだろう。おそらく普通の娯楽映画であれば、真逆の結末にするに違いない。
個人的には、JTのような行動は理解しかねる所である。要は最後の一線を超えるかどうかであり、高校時代の自分であればそれは超えないなと思う。
また、本作は視点を変えればコメディのようにも映る作品である。自分は時々苦笑しながら本作を観た。
もう一つ、リッキーの葛藤に焦点を当てれば、本作は切ない青春ロマンス映画のようにも観れる。
彼は学校では冴えない生活を送っており、大好きだった同級生も体育会系のイケメンに奪われてしまい、大変惨めな思いをしながら、この廃病院にやってきた。悪友JTにそそのかされてゾンビ女を抱こうするが、大好きだった彼女のことを忘れられずどうしても抱けない。そして、ゾンビ女を助けようとする。
このプロットは先だって観た台湾映画
「怪怪怪怪物!」(2017台湾)に大変似ている。向こうは虐めがテーマだったが、こちらは性欲がテーマになっている。夫々に違いはあるが、強者による弱者の搾取という構図は共通している。主人公が辿る結末が異なる所も含め、両作品を見比べてみると興味深いと思う。