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ハピネス

この作品は洒落の分かる人だけにお勧めしたい。
ブラックであまりにもクセが強いからだ。
しかし、そこが個人的には好きだったりする。
ハピネスハピネス
(2001/02/23)
フィリップ・シーモア・ホフマンディラン・ベイカー

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「ハピネス」(1998米)star4.gif
ジャンル人間ドラマ・ジャンルコメディ
(あらすじ)
 内気で平凡なOLジョイはいまだに独身。姉トリッシュから男友達を紹介されるがあっけなく破局を迎えてしまい落ち込む。トリッシュは夫と子供と幸せな家庭を築いていたが、実は夫には少年愛の性癖がある。こともあろうに小学生の息子の同級生に恋してしまった。姉妹には更に上の姉、人気女流作家のヘレンがいる。彼女はレイプされた経験がなく創作に息詰まっていた。そんな彼女に想いを寄せていたのがアパートの隣室に住む太ったサラリーマン、アレンだった。告白できず日々自慰にふけっていたが、向かいに住む肥満女性クリスティーナがモーションをかけてくる。ある晩、彼等が住むアパートでとんでもない事件が起き‥。
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(レビュー)
 三姉妹と周縁の人々の愛と苦悩を描いたブラック・コメディー。

 監督は異才T・ソロンズ。彼の作風はデビュー作「ウェルカム・ドールハウス」(1995米)から一貫している。アメリカ社会の暗部を笑いに転化するのが特徴である。中にはどぎついシーンもあるので、万人が見て楽しめる作品とは言いがたいが、唯一無二の存在としてアメリカ・インディペンデント界では貴重な作家と言う事が出来る。似たようなところで言えばP・T・アンダーソンやT・ツワイゴフが思い浮かぶが、毒ッ気という点ではソロンズが突出している。何しろ本作は「ハピネス」というタイトルからして人を食っている。

 この映画で一番印象的だったのは、デブカップル誕生を描くシークエンスだった。愛に無縁のアレンとクリスティーナが薄汚いバーの片隅でダンスをするとても良いシーンなのだが、その後に訪れる急転直下の展開は実に意地が悪い。いかにもソロンズ節である。

 この群像劇には彼ら以外にもアクの強いキャラクターが多数登場してくる。皆個性的で面白い。そして、彼等は一見平凡に見えるが、影では他人には言えない変態的な苦悩を抱えている。少年愛の性癖を持つビル、レイプ願望を持つ女流作家ヘレン、熟年離婚の危機を迎える老カップル等。彼らは孤独ゆえに愛を渇望する。その姿はラディカルに写るかもしれないが、同時に生きる意味を痛切に訴えてもいる。

 ”生きる意味”とは何だろうか?この作品を見る限り、それは”欲望を求めること”に他ならないという気がする。
 思い返してみると、T・ソロンズの映画に登場するキャラは皆どぎつい”欲望”を持っている。その多くは変態的だったり悲劇的だったり、他人には決して言えないような内向的な欲望である。そして、それらが時に笑いずらい場面を創出するのだが、逆に嘘や見かけだけでは真に人生は描けるだろうか。彼らの内向的な欲望は、意外にも人生の本質を鋭く突いているような気がする。現に誰にだって人には言えないような変態的な〝癖”はあるものだ。そうであるから、ソロンズ作品には度々しみじみとしたペーソスが感じられるのである。それは生きることにもがき苦しむキャラクターたちがいるからなのである。格好悪くても、惨めでも、それが〝生きたキャラ”というものなのである。
[ 2008/08/21 03:11 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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