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ブリムストーン

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「ブリムストーン」(2016オランダ仏独ベルギースウェーデン英米)星3
ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 西部開拓時代。小さな村で夫と2人の子どもと暮らすリズは、言葉を発することのできなかったが、助産師として村人に必要とされ、慎ましくも幸せな日々を送っていた。そんなある日、村に顔に傷のある牧師がやって来る。実は、リズと牧師の間には凄惨な過去があった。

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(レビュー)
 男たちに虐げられる女性の痛みや苦しみを異様な雰囲気の中で描いた異色の西部劇。

 信仰を盾に人々を支配する牧師が化物級のサイコパスで、彼にどこまでも追い詰められるリズの不幸は観ててひたすら可哀そうであった。

 この時代における女性の地位が低かったことは確かだが、それにしても映画の作りとしてはやや狭量な感は否めない。リズは娼婦に身を落とし、その界隈を中心に物語が進行するため、どうしても世界観が小さくなってしまっている。約2時間半の作品であるが、その割にストーリーの底が浅く、正直物足りなく感じた。

 とはいえ、言葉を喋れないリズと権力を笠に着る牧師の関係は、今もってなくなることのない女性に対するセクハラ、パワハラの問題を象徴していると言える。西部劇というジャンルを借りながら、現代にも通じる社会派的なメッセージを持った作品として受け止めることができ、そういう意味では一見の価値がある作品のように思う。

 映画は、リズと牧師の因縁を時世を前後させながらミステリアスに紐解いていく。リズが口をきけなくなった理由、リズと牧師の出会いといった様々な過去が明らかになっていくのだが、中でも牧師のキャラクターが不気味で印象に残る。バックストーリーが一切不明な所も含めて、ほとんどホラー映画におけるモンスターのようであり、おそらくこれは作り手側の狙いなのでもあろう。つまり、彼は神の名を語って人々を惑わす”悪魔”であることを暗に示しているのだと思う。

 宗教によって救われる人がいることは確かだが、それが盲信の域まで達すればその人の精神を殺しかねない。何についてもそうだが、ハマり過ぎるのはよくない。

 キャスト陣では、牧師役を演じたガイ・ピアースの造形がひたすら不気味で恐ろしかった。リズ役はダコタ・ファニングが演じている。こちらは抑制を利かせた演技で、ガイ・ピアースとのコントラストから上手く引き立っていたと思う。また、リズの娘役をエミリア・ジョーンズが演じており、その凛とした佇まいはダークな雰囲気の中で一服の清涼となっている。

 ロケーションの見事さと、物語のトーンを意識した寒色系の映像も作品に一定の風格を与えており、撮影の素晴らしさも特筆すべきものがある。
[ 2022/12/07 00:46 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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