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「僕の戦争」を探して

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「「僕の戦争」を探して」(2013スペイン)星3
ジャンル人間ドラマ・ジャンルコメディ
(あらすじ)
 1966年、スペイン。ビートルズの歌詞を使って子供達に英語を教えるビートルズファンの英語教師アントニオは、憧れのジョン・レノンが映画の撮影に来ているということを知り、単身アルメリアを訪れる旅に出る。その道中、ある問題を抱えた若い女性ベレンと、家出をした少年ファンホをヒッチハイクで拾う。3人は一緒に旅をすることになるのだが…。

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(レビュー)
 ジョン・レノンに憧れる英語教師と訳ありな若者たちの交流を心温まるエピソードを交えて描いたヒューマンドラマ。
 後で知ったのだが、本作は実在の教師をモデルにして作られた作品ということである。どこまで事実が入っているのか分からないが、最後のオチなどはよく出来ていると思った。
 ちなみに、ジョン・レノンが撮影しに来ていたという話であるが、これは「ジョン・レノンの僕の戦争」(1967英)のことだそうである。

 物語は型破りな教師アントニオとヘレンとファンホという問題児のロード・ムービーになっている。このアントニオがかなり妄信的なビートルズファンで、そこに観る側がどれだけフィットできるかが作品に対する入り込み方に大きく関わってくるような気がする。確かにビートルズは全世界に大旋風を巻き起こしたことは事実であるし、当時は彼のような熱狂的なファンがいても当然なのだが、教師としては少しキャラクターが子供じみているような気がしてしまった。

 例えば、旅の途中で家出少年ファンホを拾うわけだが、曲がりなりにも教師である以上、少なくとも家族の連絡先くらい尋ねないとダメだろう。教師としてのキャラクターのリアリティに乏しく、最初は余り入り込めなかった。

 ただ、そんな不信感も楽しい旅が続いていくと段々と消えていくようになる。ヘレンとファンホの道標を与える頼もしさを徐々に出してきて、最終的には面白く観ることが出来た。
 また、ヘレンが抱える秘密、ファンホの孤独をユーモアと愛情を交えて描いている所に、人生賛歌的な趣も感じられ、最後はホロリとさせられてしまった。

 中でも、ヘレンとファンホのラブシーンは印象的である。旅を終えた彼らが将来的に結ばれるかどうかは分からないが、少なくとも二人の明るい未来を暗示するかのような締めくくり方には、ある種の青春映画らしい”ひと夏の思い出”のようなノスタルジックな感動を覚えた。

 本作はビートルズをモティーフとしていながら、彼らの曲が中々劇中にはかからないというのも面白い。終盤になって初めて「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」がかかるのみである。しかし、この溜めに溜めた演出も作品を上質なものとしている。

 アントニオを演じるのはハビエル・カマラ。アルモドヴァルが監督した「トーク・トゥ・ハー」(2002スペイン)で気の弱い看護士役を演じていた頃とは、随分見た目が変わっていて驚いてしまった。観ている最中ずっと顔が少しジョン・レノンに似ているな、と思っていたのだが、ラストの”アレ”でクスリとしてしまった。

 尚、映画の最後に、ジョン・レノンが来日してからビートルズのLPに歌詞がつくようになったというテロップが表示される。フランコ政権下だったスペインでは、ビートルズに限らずポップカルチャーは厳しく規制されていたという歴史があるので、さもありなん。
[ 2023/04/19 00:53 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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