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ミスミソウ

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「ミスミソウ」(2017日)星3
ジャンル青春ドラマ・ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 東京から田舎町に引っ越してきた中学生、野咲春花は、転校早々、壮絶なイジメを受ける。両親の心配もあり登校を取りやめた結果、再び元の明るい少女に戻っていった。しかし、今度は春花が来る前に虐められていた流美がイジメの対象になってしまう。そんなある日、春花の家が何者かに放火されてしまう。

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(レビュー)
 虐められていた少女の壮絶な復讐劇を過激なバイオレンス描写で描いた作品。

 虐めが収まらない場合にどうすればいいのか。これは中々難しい問題だと思う。例えば、本作の春花のように学校に行かないというのは一つの手だと思う。それを”逃げ”と言う人もいるかもしれないが、自分の身が危険になったら、その場から避難するのは当たり前であろう。

 一方、春花が来る前に虐められていた流美は、虐めグループのリーダー妙子に同性愛的な感情を抱いていたこともあり、彼女の傍にいたくて、一緒になって春花の虐めに加担した。その後、春花が登校しなくなり再び虐めの対象になってしまうが、これは妙子との関係を断つことが出来なかった彼女自身が呼び込んだ結果とも取れる。
 虐められていた側が、ある日突然虐める側になるというのは、よく起こる話で、本作は正にそうなってしまったケースのように思う。

 映画は中盤から家を放火された春花の復讐劇が始まる。彼女の悲しみを考えると実に不憫でならないが、それにしてもその復讐のやり方は壮絶だ。

 スプラッタ描写満載のバイオレンスシーンの連続で、それまでの沈んだトーンを一気に破壊してしまうほどの過剰さで、少々やり過ぎな感じがしなくもない。シリアスに虐めの問題を説いているのであれば、ここまでの見世物めいた描写はかえって現実味がなくて逆効果になるのではないかという気がしてしまった。

 原作は同名コミックということである。おそらくこれらのリアリティを欠いたバイオレンス描写は原作準拠なのかもしれない。もはや「バトル・ロワイアル」(2000日)も真っ青な殺し合いは、見世物として割り切ればブラックなユーモアも感じられて決して悪くはない。…が、社会派的なテーマを追求するのであれば、このあたりのさじ加減は完全に見誤っているように思う。

 監督は内藤瑛亮。初見の監督だが、フィルモグラフィーを見ると主にホラー映画を撮ってきた作家ということなので、今回の過激なスプラッタ描写の数々には、この監督の趣向が多分に反映されているのだろう。

 ただ、物語自体はストレートな復讐物だけで終わらず、その中に妙子、春花、流美の複雑に絡み合った愛憎ドラマが盛り込まれており最後まで面白く観ることが出来た。今回のイジメの原因には相場という男子生徒が絡んでおり、これが上手く物語のミスリードになっている。終盤には意外な展開も待ち受けていて、このあたりのストーリーテリングには感心させられた。

 それと、物語の舞台は雪が降り積もる山奥ということで、全編に渡って白い景色が作品のイメージカラーになっている。その中で赤い服を着た春花が血みどろの復讐劇を果たすという絵面は鮮烈な印象を残す。特に、クライマックスのアクションシーンは実にスタイリッシュである。
[ 2023/06/15 00:00 ] ジャンル青春ドラマ | TB(0) | CM(0)

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