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呪いの館

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「呪いの館」(1966伊)星3
ジャンルホラー
(あらすじ)
 イタリアの片田舎で女性の変死体が発見される。連絡を受けて駆け付けたクルーガー警部だったが、村人たちは事件について口を紡ぐばかり。彼は検死官のポールを呼び寄せて本格的に調べようとするのだが…。

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(レビュー)
 シンプルな亡霊物だが、随分と登場人物が入り乱れ、とっ散らかった印象を持った。物語自体がまとまりに欠け、シナリオも余り上手く作られているとは思えなかった。

 ただ、監督、脚本マリオ・パーヴァの映像演出が素晴らしく、城のプロダクションデザインも含め、画面作りに関しては実にクオリティが高い。

 例によって、強烈な照明効果で城の外観や内装を異空間のごとき特異な舞台に見せた演出は、いかにもパーヴァらしいセンスで、このあたりは後のダリオ・アルジェント監督の「サスペリア」(1977伊)や「インフェルノ」(1980伊米)に継承されているような気がした。
 他に、長いらせん階段を効果的に使った演出も見事であるし、まるで迷路のような城の地下のセットも素晴らしい。

 恐怖演出としては、メリッサの霊が窓の外から覗いてるカットがインパクト大である。ゾッとするような不気味さがある。また、人形の中にこっそりとメリッサの霊が混ざっていたり、悪夢から目覚めると夢に出てき人形が足元にいたり等、シンプルなアイディアながら工夫を凝らした演出が冴え渡っている。

 物語は後半にかけて、一連の殺人事件に関与していたメリッサの霊の秘密が解き明かされていく。しかし、事件の真相を関係者に全て喋らせてしまった所に安易さを覚える。
 また、ヒロインであるモニカも今回の一連の事件とは無関係ではなかったということが分かってくるのだが、ここはもう少し余韻を持たせて抒情的に盛り上げても良かったような気がした。ラストもアッサリと終わってしまい、少し物足りなく感じた。

 余談だが、ポールが出くわすドッペルゲンガーには驚かされた。結局、その正体については最後まで不明なままで、観終わっても悶々としてしまった。
[ 2023/05/12 00:43 ] ジャンルホラー | TB(0) | CM(0)

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