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国葬

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「国葬」(2019オランダリトアニア)star4.gif
ジャンルドキュメンタリー
(あらすじ)
 1953年に行われたスターリンの国葬を捉えたドキュメンタリー映画。

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(レビュー)
 最近日本でも話題になった国葬だが、これについては個人的に色々と思う所がある。国民の税金を使う以上、賛否が巻き起こるのは当然だと思う。また、かつてならいざ知らず21世紀になった今、改めて国葬が持つ意味というものを問い直すきっかけになったのではないかと思う。
 一つ確かなこと言えば、今回は国民と政府の間に大きなズレを感じたことである。今後はそのあたりを含めて慎重に議論する必要があるのではないだろうか。

 本作は棺桶に入ったスターリンの姿から始まる。自分はスターリンのことを教科書くらいでしか知らない世代なので、同時代に生きた人たちが彼をどう思っていたのか詳しくは知らない。ただ、今のプーチン大統領同様、強大な権力を持った政治家だったことは間違いない。そんな彼の葬式となると、それはもう国の威信をかけた盛大なキャンペーンになってしまう。

 彼の訃報は全国民に一斉に知らされる。その中には当時はまだソ連の一部だったウクライナ、タジキスタンといった国々が含まれていることに時代を感じてしまう。

 一方、首都モスクワには国葬に参列するために友好国の要人が次々と来訪してくる。その顔触れも今となっては時代を感じてしまう。東西冷戦の真っただ中ということで、当時は共産主義だった東ドイツ、ルーマニア、ポーランドといった国々もやって来る。

 そして、スターリンの亡骸を一目見ようと集まってきた大群衆の圧倒的スケール感。よくぞこれほど集まってきたものだと感心してしまうが、同時に自分はその光景に全体主義の恐ろしさも感じてしまった。神妙な面持ちで現実を受け入れる者、涙を流して悲しむ者。偉大なスターリンの死を厳粛に受け止める彼らの気持ちは、果たしてどこまで本物なのか?その心中は探っていくと興味が尽きない。

 映画はカラーフィルムとモノクロフィルムで構成されている。メリハリを利かせた編集が奏功し、延々と続く国葬の風景も退屈することなく観ることが出来た。

 そして、本作の肝は何と言ってもラストだろう。最後の最後に衝撃的なオチが待ち受けていて驚かされた。

 監督はセルゲイ・ロズニツァ。初見の監督だが、これまでドキュメンタリー映画を数多く撮ってきた作家ということである。wikiによればウクライナ育ちということなので、現在も続く戦争には反プーチンの姿勢を貫いているそうだ。本作のラストにもそうした体制批判の思想が込められているような気がした。

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