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ダークナイト

ジョーカーが完全にバットマンを食ってしまっている。
ヒース・レジャーが嬉々として演じているのが印象的だった。
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「ダークナイト」(2008米)star4.gif
ジャンルアクション・ジャンルSF
(あらすじ)
 ゴッサムシティはジョーカー率いる強盗団に揺れていた。その頃、新任地方検事デントはかねてから問題になっていたマフィアの撲滅に乗り出す。そして、バットマンと協力して彼らの資金源となっている香港マフィアの首領を逮捕した。ところが、これがジョーカーを台頭させる原因になってしまう。マフィアにバットマンを殺すことを依頼されたジョーカーは、彼を信奉して組織された自警団を次々と血祭りに上げていく。そして、バットマンに素顔を明かせと挑戦状を叩きつけるのだった。バットマンとデント、そしてゴードン警部補はこれに敢然と立ち向かっていくのだが‥。
ダークナイト@映画生活

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(レビュー)
 宿敵ジョーカーとの戦いをスピーディーな展開と圧倒的な迫力で描くハードな作品。
 監督はじめキャストは前作「バットマン ビギンズ」(2005米)と同じ面々。但し、ヒロイン役は変更になっている。

 物語は、盟友でもあり恋敵でもあるデントのパートと、悪の限りを尽くすジョーカーのパートに大きく分けることができる。この二つが収束していくことで物語は構成されている。
 善と悪の狭間で葛藤するデントの描写は中々ハードで見応えがあった。そのドラマがあった上で、バットマンとジョーカーの戦いが描かれることになる。ジョーカーは体力的には弱い。ただ、バットマンも恐れるほどの純粋な悪の権化で、その戦いは最終的にデントとの対峙で結末を迎えることになる。言わば、戦いがバットマンとデント、二段階に構成されているのだ。単純に悪者を殺して一件落着という快楽性からかけ離れた内省的な戦いになっている。何でもかんでもハッピーエンドとしない所に、既存のハリウッド映画には無い面白さが感じられた。むろん、見ようによってはこれを奇妙な締めくくり方と捉える人もいるかもしれない。しかし、本作は第3部へつながる橋渡し的なドラマということを考えれば納得もできる。

 ただ、肝心のバットマンはこの二人に隠れて完全に影が薄くなってしまった。特に、ヒロインを巡って悶々とする所や、体力的な限界に直面する所、自らの心の弱さを自認してしまう所等、およそ強さを体現すべきヒーロー像からどんどん遠ざかっている。果たしてこれで良いのかどうか?疑問が残った。

 その一方で、この映画唯一のカタルシスと言っても良いのが、ジョーカーの悪漢振りである。演じるのは故ヒース・レジャー。時折コミカルな演技を見せるところが憎々しさに拍車をかけていて良い。仮に続編があれば再登場かなわずということで非常に残念なことである。

 良い味を出しているといえば、今作でもG・オールドマン演じるゴードン警部補が中々良かった。彼は市井に根ざした凡人であるが、彼は彼なりに正義を貫く。観客に一番近い目線を持った存在であり、彼のおかげでどこかホッと一息つくこともできる。

 キャストは相変わらず豪華だが、前作の敵役C・マーフィーがほんの少しだけ顔を見せていて驚いた。何と律儀な‥。
[ 2008/09/04 14:35 ] ジャンルアクション | TB(0) | CM(0)

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