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ナワリヌイ

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「ナワリヌイ」(2022米)star4.gif
ジャンルドキュメンタリー・ジャンル社会派
(あらすじ)
 反プーチンを掲げて選挙に出馬した元弁護士アレクセイ・ナワリヌイについてのドキュメンタリー。

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(レビュー)
 映画は現在のナワリヌイのインタビューを元にしながら、3年前の選挙戦、警察による家宅捜査、何者かによる毒殺未遂事件が回想されていく。基本的には彼と周辺人物のインタビューを中心にしながら、当時の記録映像を交えて描くオーソドックスなスタイルのドキュメンタリーで、ナワリヌイのことを全く知らない人でもすんなりと入り込めるように親切に作られていると思った。

 毒殺事件から奇跡的に回復したアレクセイは家族と共にドイツへ逃げ延び、ここから映画は彼の反撃を描いていくようになる。
 毒物がスポーツドリンクの製造工場で作られていたという事実を突き止め、そこに務める関係者を絞り込んでいく。その過程はかなり端折って描かれており、もう少し詳細な情報が欲しい所であるが、ともかくここから映画は盛り上がっていく。

 白眉は、ナワリヌイ本人が関係者に電凸して事件の内幕を聞き出していくシーンである。まるでスパイ映画さながらのスリリングさで見入ってしまった。

 更に、映画は後半から、この電凸で得た情報を足掛かりに予想外の方向に向かって展開されていく。自らの命を危険にさらして反プーチンを訴えるナワリヌイの行動は実にアッパレである。

 今時はSNSの時代ということでネットツールを積極的に活用していたのも印象的だった。かつてなら新聞やテレビといったメディアを通して訴えるのだろうが、現在は個人一人一人がジャーナリストになれる時代である。”ペンは剣よりも強し”という言葉も、時代と共にそのニュアンスが大分変わってきたと実感される。

 ちなみに、劇中ではナワリヌイと妻とのやり取りも時折挿話されている。これも作品に抒情性を漂わせ中々心憎い演出だと思った。実際、ナワリヌイの傍に常に寄り添いながら支え続ける彼女の功績は大きいように思う。ここまでくるともはや夫婦愛を描いた筋書きのあるドラマのように思えてしまい、ドキュメンタリーであることをつい忘れてのめり込んで観てしまった。

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