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ディストピア パンドラの少女

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「ディストピア パンドラの少女」(2016米英)star4.gif
ジャンルSF・ジャンルサスペンス・ジャンルホラー
(あらすじ)
 ロンドン郊外にある軍事基地で秘密裏に人体実験が行われてた。厳重な監視の元、科学者たちが拘束された子供たちに教育を施していたのだ。高いIQを持った少女メラニーは教師のヘレンから目をかけられていた。そんなある日、突然、異常事態を知らせる警告が鳴り響き、施設は大パニックに陥ってしまう。命からがら逃げ延びるメラニーだったが…。

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(レビュー)
 なるべく前情報なしに観た方が楽しめる作品だと思うので、極力ネタバレを避けたいと思う。

 まず、何と言っても不穏でシュールな雰囲気に包まれた序盤に惹きつけられた。何の説明もないまま話が進んでいくので、一体これは何についての映画なのか分からず観ていくと、突然基地内がパニックが起こる。ここから映画はある種のジャンル映画へと転換していくのだが、この大胆な語り口が秀逸だと思った。

 以降はよくあるサバイバル・ロード・ムービーになっていく。旅をするのは5人のキャラクターで、物語のカギを握る少女メラニー、彼女の教育係ヘレン、事態の全容を知っている科学者コールドウェル博士、そして特殊任務を課せられた2名の軍人である。夫々の造形がしっかりと確立されていることもあり、行き当たりばったりな展開が少なく、最後まで面白く観ることが出来た。また、メラニーを巡る周囲の対立と葛藤に個々の心理が透けて見えくる所もシナリオは巧みに掬い上げており、中々の完成度である。

 ただ、確かにこじんまりとした内容で、規模が大きい話のわりに世界観が狭い感じがした。予算の問題もあろうが、この辺りは仕方なしである。しかし、必要最低限の情報量だけで物語を構成したことで、かえって緊張感が生まれドラマも引き締まったように思う。

 ラストのオチには、なるほどと溜飲が下がった。ディストピア物としては正攻法な結末と言える。閉塞的だったドラマが、ラストで一気に大きな広がりを見せる。決して救いがあるとは言えないが、不思議と感動を覚えた。

 尚、本作には原作がある(未読)。後から知ったが、映画製作とほぼ同じ時期に刊行された小説らしく、原作者自身が映画の脚色も担当しているということだ。ドラマに一貫性があるのは、原作者がしっかりと作品をコントロールできていたからなのかもしれない。

 昨今、この手のジャンル映画も大量に作られており、どれを観ても既視感を覚えてしまうが、本作にはそこにちょっとしたアイディアを盛り込んだことによって上手く新味を出すことに成功している。まだまだこの手のジャンルもやり方次第では面白いものが作れるということを証明している。

 監督は長年TVドラマを手掛けてきたベテランらしく、劇場用作品は今回が2作目ということである。
 演出で特に印象に残ったのは、中盤の脱出劇だった。物音ひとつ出せない状況で、必死の逃走をはかるシチュエーションにハラハラさせられた。

 キャストでは、コールドウェル博士役のグレン・クローズが中々に良かった。こうした厳格な役柄をやらせるとさすがに上手い。
[ 2023/07/07 00:23 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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