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激怒

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「激怒」(2021日)星3
ジャンルサスペンス・ジャンルSF・ジャンルアクション
(あらすじ)
 怒ると我を忘れてしまう刑事・深間は、度重なる暴力沙汰が問題となり、治療のために海外の医療機関に送られる。数年後、日本に呼び戻されると街の様相は一変していた。自警団による極端な取り締まりが行われており、深間は戸惑いを覚える。

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(レビュー)
 架空の町を舞台にしたフィクションであるが、どこか現代社会の合わせ鏡のようなところがあり、中々メッセージ性の強い作品だと思った。

 例えば、自警団による行き過ぎた取り締まりには、SNSにおける”叩き”の風潮を想像させる。あるいは、町長と警察組織の癒着には官僚社会の闇を感じさせるし、冒頭に出てきた引きこもり青年の事件などには現代人の孤独が投影されているような気がした。
 こうした社会派的な眼差しを物語の至る所に落とし込んだところが本作の妙味だろう。

 ただ、演出にリアルさがほとんどないため、どこまで行っても寓話の域を出ない。登場人物もカリカチュアされ、シナリオも過剰に映る部分があった。

 監督、共同製作、脚本は映画ライターの高橋ヨシキ氏。映画製作の仕事としては、これまでに園子音監督の「冷たい熱帯魚」(2010日)の脚本に参加しているが、監督としては今回が初作品となる。

 ビジュアルアートとしての仕事もしているだけあって、所々の映像センスに目を見張るものが見つかる。特に、深間が引きこもり青年の事件に急行するシークエンスは、CGも使用しているのだろうが異様な夕焼け、シュールな俯瞰ショットが印象に残った。

 また、深間と彼の母親のシーンは本作で唯一ミステリアスに紐解ける部分であり、終盤のセリフ「お前は誰と喋ってんだ?」に上手くかかっていたように思う。このあたりの脚本の構成は中々上手いと思った。

 但し、予算の少なさもあろう。敢えてB級風なチープさも散見され、それが狙ったものだとしても、演出自体は余りこなれていないという印象を持った。
 クライマックスのアクションシーンなどは、氏のジャンル映画嗜好を考えれば、もっと大胆で過激に表現しても良いと思ったが、終始1対1の格闘に甘んじており爆発力に欠ける。

 初監督作でほとんど自主製作に近い形で撮りあげた作品なので、この辺りは仕方がないという言い方もできるが、たとえ粗削りでも自身の嗜好や、これを見てくれ!という情熱を画面に叩きつけて欲しかった。

 尚、本作にはアメリカロケを敢行しているが、ドラマ上、アメリカである必然性が余り感じられなかった。海外ロケするくらいなら、他に予算をかけるべきではないだろうか。もしかしたら、コロナ渦の影響で構想通りにいかなかったのかもしれないが、どうにも中途半端である。
[ 2023/07/23 00:19 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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