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イースタン・プロミス

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「イースタン・プロミス」(2007英カナダ米)星3
ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 助産婦のアンナが働く病院に、10代の幼い妊婦が運び込まれる。少女は女の子を産んだ直後、息を引き取った。少女のバッグからロシア語で書かれた日記を見つけたアンナは、そこに挟まれていたカードを頼りにロシア料理店を訪ねるのだが、そこはロシアン・マフィアのアジトだった。

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(レビュー)
 闇の人身売買に巻き込まれた助産婦の恐怖をスリリングに描いたサスペンス作品。

 題材が題材だけに非常に重苦しい作品であるが、マフィアの運転手ニコライと助産婦アンナの淡いロマンスを描きながら、最終的に人情味あふれる結末に持って行ったところが中々心憎い。気が滅入りそうで、そうはならない手捌きに職人技的な上手さを感じた。

 監督は鬼才デヴィッド・クローネンバーグである。癖の強いテーマとビジュアルでカルト的な人気を誇る作家であるが、今回は意外にもそつなく作られたエンタメとなっている。逆に言うと、クローネンバーグらしさは余り感じられない作品と言えるかもしれない。前作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」(2005米カナダ)に近い感じの作品で、こういう表現の仕方もどうかと思うが、実に正統派な作りになっていると思った。

 ただ、人身売買問題を取り上げておきながら、社会派へ振り切るわけでもなく、やや中途半端になってしまった感は否めない。ロマンスの要素やマフィア絡みの抗争等、上映時間100分ということを考えれば、余り風呂敷を広げられなかったのかもしれない。本作をガッツリ描くのであれば、個々のエピソードの比重をもう少し効率よくバランスをとるべきだったように思う。
 例えば、ニコライの目的が明らかにされる所は中々ドラマチックで見応えがあったので、それ以降はそこにドラマを集中させても良かったかもしれない。

 キャストでは、ニコライを演じたヴィゴ・モーテンセンの好演に見応えを感じた。クローネンバーグとは「ヒストリー・オブ・バイオレンス」に続いてのコンビになるが、前作同様、渋い演技に魅せられた。組織の中でのし上がっていく非情なヤクザという役どころに、かすかに人情味を忍ばせたところが味わい深い。
 また、サウナ室での全裸の格闘シーンでは体を張ったアクションも見せている。鍛え抜かれた肉体をこれでもかと披露しインパクト大である。
 キリルを演じたヴァンサン・カッセルは、ひたすら情けない役所で、今回は余り良い所がない。この大仰な稚拙さは少しやり過ぎという気がしないでもない。果たしてこれが演出に即した芝居だったのか、それとも本人の造形なのか分からないが、やりようによってはもっと懐の深いキャラクターに出来たと思うので少し残念である。
[ 2023/09/13 00:24 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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