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オールド・ジョイ

「オールド・ジョイ」(2006米)星3
ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 もうすぐ一児の父親になろうとするマークの元に旧友カートから電話がかかってくる。彼に誘われてマークは山奥の温泉場に一緒に行くことにするのだが…。

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(レビュー)
 もうすぐ父親になる男と未だに根無し草な男の友情をしみじみと描いたロードムービー。

 ほぼ二人のみの芝居で展開される物語は非常に心地よく、何とも言えない抒情感を味わわせてくれる。

 監督、共同脚本、編集はケリー・ライカート。前作「リバー・オブ・グラス」(1994米)に比べると随分としっとりとした作品である。
 男二人の旅を意味深な演出で語っており、何となく「ブロークバック・マウンテン」(2005米)の再現か…と思ったのだが、そういうわけではなく純粋に旧交を蘇らせるゆる~いロードムービーだった。

 とはいえ、実際に二人の間に何もなかったのかと言うと、そうとも言い切れない感じがした。既婚者のマークはともかくカートの方には特別な感情があったと匂わせる演出があり、例えば温泉に入っているマークの肩を揉んでマッサージをしたり、マークの結婚指輪に目をやったり、それが友情を超えた感情という風に想像できなくもない。カートのバックストーリーには不明な点が多くミステリアスである。彼の心中が容易に掴めず、この辺りの意味深な演出が面白く解釈できた。

 ライカート監督は、演者の些細な表情や無人ショット、長回しを使いながら、観る側に様々な想像をさせる演出を仕掛けてくる。前作にはない野心的な演出の数々に改めて彼女の才覚が感じられた。

 また、カートのたとえ話で出てくる”悲しみは使い古した喜び”という言葉も意味深なセリフで印象に残った。喜びも時間がたつといつの間にか悲しみ変わってしまうと…いうことを言っているのだろうが、確かに現実にはそういうことはたくさんあるように思う。

 音楽はアメリカのロックバンド、ヨラ・テン・ゴが担当している。朴訥としたメロディは本作ののんびりとした作風に上手くマッチしていると思った。彼らはジョン・キャメロン・ミッチェル監督の「ショート・バス」(2006米)でも音楽を担当しており、映画音楽方面へと活躍の幅を広げている。中々多才である。
[ 2023/10/12 00:05 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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