話はB級だが異様なムードが頭にこびりついて離れない。ラストも衝撃的。
「白いドレスの女」(1981米)
ジャンルサスペンス
(あらすじ) 夜でもうだるような熱さのフロリダ。弁護士ネッドは白いドレスを着た人妻マティに魅了される。どうしてもその夜のことが忘れられなかった彼は、後日彼女の住まいを探し当て熱い夜を共にした。関係が深まるに連れて二人はマティの夫の存在が邪魔になってきた。そして、ついに夫の殺害を実行に移す。莫大な遺産がマティに転がり込んできた。晴れて2人は誰の目も気にせず会えるようになったが、事故に見せかけた殺人は思わぬところで綻びが出る。
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(レビュー) いわゆるファムファタール映画の決定版とも言うべき官能サスペンス作品。
監督・脚本はこれが初演出となるL・カスダン。高湿な映像に男女の肉欲を焼き付けたムード作りは中々のものである。
また、マティを演じたK・ターナーの肉感的なボディが映画に淫靡な雰囲気をもたらし、強烈な印象を残す。演技よりも肉体勝負といった感じで天晴れというほかない。
サスペンス自体はありふれた不倫殺人事件なのだが、ラストに驚愕の事実が待ち受けている。見る人が見れば容易に想像できるものだが、しかしこの映画が衝撃的なのはネタ証しそのものではなく、徹頭徹尾悪女を貫き通したマティというキャラクターそのものにある。おそらく映画史上屈指の悪女であり、ここまでくるともはや笑うしかない。そして、このキャラクターが余りにも強烈にヒロイックすぎて、彼女の餌食となったネッドには同情する気すら起きない。元々弁護士とはいっても正義感が強いわけではないし、自業自得と言う気もする。
尚、音楽もアダルトなムードを漂わせていて中々良かった。