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ミークス・カットオフ

「ミークス・カットオフ」(2010米)星3
ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 西部開拓時代のオレゴン州。移住の旅に出たテスロー夫妻ら3家族は、道を熟知しているという男スティーブン・ミークにガイドを依頼する。旅は2週間で終わるはずだったが、予定を過ぎても目的地にたどり着かず、飲み水も底を尽きかける。そんな時、一人の先住民に出会うのだが…。

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(レビュー)
 荒野をさすらう家族の過酷な旅を雄大なロケーションの中に描いた異色の西部劇。

 監督、編集はケリー・ライカート。脚本は盟友ジョナサン・デイモンド。これまでミニマルな現代劇を撮ってきた彼らが今回挑んだのは西部劇である。少々意外な感じもするが、そこで描かれるテーマは人間の生き方であったり、他者との関わり合いの中に芽吹く希望だったり、これまでの作品に通じるものが感じられる。

 何と言っても印象の残るのはロケーションの美しさである。どこまでも続く広大な荒野、地平線の果てまで広がる湖、全てを包み込む大きな空。もはやこの世の果てを思わせる中にちっぽけな3家族が馬車を引きながら並んで進む姿がスケール感タップリに切り取られている。

 撮影を務めたのはクリストファー・プロヴェルト。以後、ライカートは彼とコンビを組んで作品創りを行うことになるが、本作の美しい映像を見ればよく分かる。ライカートもよほどプロヴェルとの撮影を気に入ったのだろう。

 物語は、前半は淡々としており平板で面白みに欠けるが、先住民と出会う中盤から物語は急展開する。一行は彼に水がある場所を案内させようとするのだが、ミークは先住民なんか信用できないと批判する。一方、心優しいエミリーは彼を信用する。先住民の扱いを巡って二人は意見を対立させていくようになり、果たして一行はどういう決断を下すのか…という所が見所となる。

 つまり、偏見と差別を巡るヒューマニックなドラマになっていくのである。
 一見すると遠い過去の西部開拓時代の物語に思えるが、実は現代にも通じる普遍的なメッセージがそこから読み解ける。

 後で調べて分かったが、スティーブン・ミークという人物は実在した人物ということだ。元々は狩猟業を生業としていたが、それだけでは食っていけなくなり、土地勘のあった彼はガイドの仕事を始めたということである。果たして、本作のミークがどこまで忠実に造形されているのか分からないが、おそらくこの時代だと資料もそこまで残っていないだろうし多分に脚色されている部分はあるように思う。

 ミーク役は様々な作品で名脇役ぶりを発揮しているブルース・グリーンウッドが演じている。
 エミリー役はライカート作品では「ウェンディ&ルーシー」(2008米)に続いてミシェル・ウィリアムズが続演している。
 夫々に好演と思った。
[ 2023/10/16 00:48 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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