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アウトサイダー

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「アウトサイダー」(1981ハンガリー)hoshi2.gif
ジャンル人間ドラマ・ジャンル音楽
(あらすじ)
 精神病院に勤務する青年アンドラーシュは、バイオリンが得意でいつも患者に弾いて聴かせていた。ところが、不真面目な勤務態度が原因でクビになってしまう。更に、恋人アンナに別れを切り出され、彼は次第に自暴自棄になっていく。

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(レビュー)
 社会に適合できないミュージシャン志望の青年の苦悩を冷徹な眼差しで描いた作品。

 ハンガリーの巨匠タル・ベーラ監督がブタペストの映画学校在籍時に撮った長編第2作である。

 後の作品の特徴となる静謐なタッチはまだ見られず、ここでは長編デビュー作「ファミリー・ネスト」(1977ハンガリー)同様、極端なフェイスアングル、手持ちカメラによるドキュメンタリータッチが横溢している。ゲリラ撮影と思しきシーンも散見され、正直、後の作品群に比べると作りは武骨である。

 ただ、現実を直視できない若者の鬱屈した感情は十分に伝わってくるし、それを徹底的に突き放した演出で表現した所はいかにもリアリスト、タル・ベーラらしい。

 アンドラージュはアマチュアのバイオリニストで、いつかバンドを組んで世に出たいと夢見てる。しかし、仕事はクビになり、女性関係も長続きしない。毎晩クラブに入り浸り、次第に自暴自棄になっていく。

 演奏そのものは上手いので才能はあるのだと思う。しかし、彼はその才能に胡坐をかいて、バンド活動をするでもなく怠惰な日々を送っているだけである。観ててひたすらイライラしてしまう主人公だった。

 鑑賞後にタル・ベーラのインタビュー記事を読んだが、氏は本作で「本当の人々の姿を撮りたかった」と語っている。
 おそらく、世の中には彼のように鬱屈した人生を送っている若者がたくさんいるということを表現したかったのだろう。前作「ファミリー・ネスト」もそうだが、やはりタル・ベーラはリアリスティックな作家だということがよく分かる。

 尚、顔のクローズアップが横溢する本作にあって、唯一アンドラージュの親友がバイクを走らせるシーンだけはダイナミックなアクション演出で撮られていて印象に残った。自分が知る限りタル・ベーラの作品でこうしたアクション演出的なエッセンスは余り見たことがない。そういう意味では、このシーンは大変珍しいと言える。
[ 2023/12/12 00:58 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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