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アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督<自己検閲>版

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「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督<自己検閲>版」(2021ルーマニアルクセンブルグチェコクロアチア)星3
ジャンルコメディ・ジャンルエロティック
(あらすじ)
 名門校の教師エミは、夫とのプライベートセックスビデオがネットに流出してしまい窮地に陥っていた。夕方から開かれる保護者会に出席するために、彼女は憂鬱な気持ちでコロナ禍の街を歩くのだが…。

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(レビュー)
 プライベートなビデオが流出してしまったことで窮地に追い込まれてしまう女性教師の運命をシニカルな笑いで綴ったエロティック・コメディ。

 映画は3部構成になっていて、第1部はエミが町中を放浪する様子をドキュメンタリータッチで描いたパートになっている。特に大きな事件が起こるでもなく、ただひたすら彼女の歩く姿が映されるだけなのだが、もしかしたら後の伏線になるのかもしれないと思って注意深く観た。ところが、特にそういう仕掛けがあるわけでもなく、正直このパートは冗漫なだけである。

 ただ、コロナ渦真っ只中の街並みをリアルに捉えた映像は時代の証憑としの価値はあるように思う。また、時折映し出されるポップでシュールなポスターやオブジェなどにクスリとさせるユーモアも感じられた。

 第2部は、様々な記録映像とそれに合わせたテロップをアルファベット順で綴ったコラージュ作になっている。ルーマニアの激動の歴史や文化、芸術に対する辛辣で皮肉的な批評が次々と登場してくる。これも本筋には全く関係がない。
 ただ、タイポグラフィーのような遊び心溢れる演出を含め、非常にテンポが良いので観ている最中は楽しめた。
 特に、パゾリーニに関する箇所と、映画=真実の不可視性という言葉にハッとさせられた。含蓄のある言葉である。

 第3部は、エミの処遇を巡る保護者会のシーンとなる。ここからがドラマのメインとなる。流出してしまった動画のせいで解雇の危機に晒される中、彼女の運命や如何に…というのがミソで、いわゆるSNS上における”叩き”のような一斉バッシングを受ける。ラストはぶっ飛んだオチが待ち受けていて驚かされた。これは非常に斬新なエンディングだと思う。思わず爆笑してしまった。

 尚、タイトルにあるように、今回鑑賞したのは監督自身による自己検閲バージョンである。セクシャルなシーンは画面全体がマスキングされ、そこに監督からのメッセージがテロップで表示される。例えば、「殺人シーンは良くてフェラシーンがダメなのか!」等、表現規制に対する監督の憤りが感じられた。
 とはいえ、今作に限って言えば、どこまで本気でやっているのか分からないようなところがあり、これも監督のユーモアなのでは…と思ってしまった。

 このように、本作はどこまで本気でやっているのか、どこまで冗談なのか分からないような作品である。
 したがって、表現規制やSNSの問題、セクハラ、パワハラの問題等、劇中で語られている深刻なメッセージにも余り関心を寄せられなかった、というのが正直なところである。
 ただ、これらの問題をフランクに取り扱ったという点では敷居を低くして観れる作品かもしれない。監督本人が<自己検閲>しているのでエロシーンもそれほど刺激が強くないので、その手の作品が苦手な人でも楽しめるのではなかろうか。
[ 2023/12/18 00:55 ] ジャンルコメディ | TB(0) | CM(0)

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