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ポケットいっぱいの涙

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「ポケットいっぱいの涙」(1993米)star4.gif
ジャンル青春ドラマ・ジャンル社会派
(あらすじ)
 麻薬絡みのトラブルで両親を亡くしたケインは、祖父母の家で暮らしながら高校卒業を目前に控えていた。ある夜、彼はギャングの抗争に巻き込まれて重傷を負ってしまう。どうにか一命をとりとめることができたが、これをきっかけに彼の日常は悲劇に飲み込まれていくようになる。
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(レビュー)
 ケインたちが住むサウス・セントラル地区は、当時は銃や麻薬が蔓延する危険地帯で、ギャング同士の抗争が日常茶飯事だった。

 同じ頃のサウス・セントラル地区を舞台にした作品というと「ボーイズン・ザ・フッド」(1991米)が思い出される。これも黒人ギャング同士の抗争を描いた刹那的な青春映画で、中々の傑作だった。
 また、同年には東海岸を舞台にした「ニュー・ジャック・シティ」(1991米)という作品も公開されている。これも黒人ギャングの抗争を描いた作品であった。1990年代初頭は、アフリカ系黒人の暴力の世界を描いたブラック・ムービーが軒並み製作された頃だった。

 これら一連の作品に共通しているのは、貧困地区の殺伐とした環境である。路上で簡単に麻薬や銃が手に入り、警察でさえ見て見ぬふりをするほど荒廃しきった街。彼らはそこから抜け出せず、明日をも知れぬ日常を送っている。

 本作のケインも高校卒業を目前に控え、銃撃戦に巻き込まれて従兄弟を失い、自らも負傷してしまう。彼の父親は麻薬の売人をしており、そのせいで父も母も命を落としてしまった。蛙の子は蛙ではないけれど、世代を超えて続く”負の連鎖”に暗澹たる気持ちにさせられる。

 尚、警官による黒人に対する暴行シーンがサラリと描かれているが、これも今もって続く人種差別の根深さが伺える。

 監督はアレン&アルバート・ヒューズ兄弟。現在でもハリウッドで小規模ながら数多くの娯楽作を手掛けている兄弟監督である。本作は彼らにとっての初長編作となる。自分は初見であるが、時折見せるスタイリッシュな映像演出に中々のセンスが感じられた。

 白眉は何と言ってもラストである。展開自体は容易に読めてしまうのだが、ケインのモノローグでこれまでのドラマを反芻する演出が実にドラマチックだった。最期の時を刻む心音の演出に痺れた。

 キャストは若い新人ばかりで固められており、知っている人はいなかった。ただ、サミュエル・L・ジャクソンの名前がクレジットされていて驚いた。残念ながらどこに出ていたのか分からなかったが…。
[ 2024/03/09 00:47 ] ジャンル青春ドラマ | TB(0) | CM(0)

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