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パワー・オブ・ワン

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「パワー・オブ・ワン」(1993米)star4.gif
ジャンル青春ドラマ・ジャンル社会派
(あらすじ)
 1930年代の南アフリカ。イギリス人の少年PKは両親を亡くし寄宿学校に預けられる。しかし、そこで彼を待っていたのは年長者による壮絶な虐めだった。ある日、いつものように虐められていた所を心優しいピアニスト、ドクに救われる。PKはドクを親のように慕うようになり、やがて一緒に黒人収容所に移住する。そこで彼は理不尽な人種差別を目の当たりにする。
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(レビュー)
 アフリカで生まれ育った白人少年PKが、ヘイトクライムが吹き荒れる中、自由と平和を獲得する戦いに身を投じていく感動ドラマ。

 PKの人生を変えたキーマンは二人いる。一人は収容所で出会うリベラルな音楽家ドク。もう一人は彼にボクシングを教える黒人トレーナーのピートである。彼らのおかげでPKは差別の愚かさ、無為さを知り、理不尽な差別を強いる社会に対して自由と解放の声をあげていくようになる。
 成長したPKの恋愛や友情のエピソードを描きながら青春ドラマとしての面白さを担保しつつ、社会派的なメッセージを併せ持った実に志しの高い作品となっている。

 ただ、強いて言えばPKが余りにも優等生過ぎるという気がしなくもない。少々お堅い作りになってしまった感が拭えず、このあたりはもう少しラフさがあっても良かったような気がした。

 監督は「ロッキー」シリーズをヒットさせたジョン・G・アビルドセン。
 奇しくも本作もボクシングがドラマ上、重要な役回りを見せていく。ロッキーのようなボクシングがメインの映画ではないが、PKの成長を促すという意味では上手くドラマに組み込まれていると思った。

 演出で少し気になったのは、PKの恋人マリアに関する扱いであろうか。せっかくのメインヒロインなのだから、彼女にもう少し見せ場が欲しい気がした。おそらく彼女自身も人種差別に対する嫌悪や憎悪といった思いはあっただろう。そのあたりの描写が希薄なため、PKとどういう気持ちで交際していたのか今一つ伝わってこなかったのが残念だった。

 本作は撮影の素晴らしさも特筆に値する。広大なアフリカの大地、滝のシーンの神秘的な美しさは筆舌に尽くしがたい。撮影監督は名手ディーン・セムラー。オーストラリア出身の彼は「マッドマックス2」(1981豪)で注目を集め、以降はハリウッドへ渡り「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(1990米)や「アポカリプト」(2006米)といったスケールの大きな作品でその手腕を発揮し、昨今まで第一線で活躍していた。

 ハンス・ジマーの音楽も勇壮なスコアを響かせていて◎。

 キャスト陣も、今考えると豪華である。PKの青年時代をスティーヴン・ドーフが精悍に演じている。本作が彼の映画初主演作である。
 また、映画後半に登場するレイシストな軍人役をダニエル・クレイグが演じている。彼も本作が映画初出演である。
 他に、モーガン・フリーマン、ジョン・ギールグッドといった渋い巧者が脇を盛り立てている。特に、ピートを演じたモーガン・フリーマンの白熱した演技は印象に残った。看守の靴についた家畜の糞を食わされるシーンは、誰が見ても怒りを覚えるシーンだろう。
[ 2024/03/03 00:06 ] ジャンル青春ドラマ | TB(0) | CM(0)

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