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ローマンという名の男 -信念の行方-

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「ローマンという名の男 -信念の行方-」(2017米)星3
ジャンル人間ドラマ・ジャンル社会派
(あらすじ)
 ローマンは人権派の弁護士として、ウィリアム法律事務所で弱者のために法律アドバイザーをしている。その一方で、司法取引改革のための集団訴訟の準備を続けていた。ある日、ウィリアムが心臓発作で倒れ事務所が閉鎖に追い込まれてしまう。そこにウィリアムの元教え子で大手弁護士事務所を経営するジョージがやってくる。彼は類まれな記憶能力を持ったローマンの才能に目を付けスカウトするのだが…。

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(レビュー)
 正義感の強い弁護士が己の信念に揺らいでいくヒューマンドラマ。

 ローマンを演じたデンゼル・ワシントンの演技を十分に堪能できる映画で、自分はこのキャラクターが実在の人物と勘違いするほどだった。これまでも彼は実在の人物を数多く演じてきたので余計にそう思ってしまうのだが、実はこの映画は完全にフィクションということである。

 デンゼルは持ち前の良識派のイメージを前面に出しながら、善良なる弁護士ローマンを演じている。ややビジュアル面を作り過ぎという気がしなくもないが、法曹界を舞台にローマンのような、ある種型破りな弁護士が活躍する物語は単純に観てて面白い。時にお茶目で、時にシリアスで頼りになる。そんな魅力溢れる人物像を、硬軟織り交ぜながら見事に体現している。

 映画は中盤から、所属する事務所を失ったローマンの苦労を追っていくようになる。生活費にも困窮するようになり、彼はついに”ある悪事”に手を染めてしまう。善良で人間味あふれる彼の凋落振りには観ているこちらも自然と共感を抱いてしまった。彼もまた一人の人間だった…ということが分かり同情を禁じ得ない。

 ジョージ役を演じたコリン・ファレルも中々の好演を見せている。初めはデンゼルとは正反対の金の亡者というイメージだが、物語が進むにつれて、実は師であるウィリアムを今でも尊敬し、仕事のやり方が違うだけで、実はローマンと同じ志を持った弁護士であるということが分かってくる。デンゼルに負けず劣らず、深みのある演技を見せている。特に、ラストの”背中”で語る演技が素晴らしい。

 監督、脚本は「ナイト・クローラー」(2014米)のダン・ギルロイ。じっくりと腰を据えた丁寧な作劇が、いかにも脚本家出身の氏らしく、展開の捌き方も見事である。

 欲を言えば、演出がクドく感じる場面があったので、そのあたりはもう少し柔軟なスタイルを見せて欲しかったか…。
 例えば、夜道で酔っぱらいを介抱するエピソードや、ウィリアムの姪とのロマンス等。やや不要に思うエピソードが目につく。ドラマそのものはいたってシンプルなので、もう少しコンパクトにしてキレのある作りにした方が良かったのではないかと思う。

 それと、ローマンを人権派の弁護士に設定したのは、やはり人種差別に対する問題を提示したかったのだろう。ところが、実際に映画を観てみると、それについて触れられている場面は、極わずかしかない。監督はどこまでこの問題を語りたかったのか、よく分からなかった。
[ 2023/12/06 00:28 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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