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ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画

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「ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画」(2013米)星3
ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 アメリカ西部のオレゴン州。環境保護を訴える環境論者のジョシュとディーナは、水力発電のダムの爆破を目論みボートを入手する。元海軍だったハーモンを引き入れて爆弾を製造すると、早速計画を実行に移すのだが…。

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(レビュー)
 過激な環境保護論者たちがダム爆破計画を実行していくサスペンス作品。

 いわゆる通俗的なエンターテインメントを期待すると肩透かしを食らう作品である。低予算のインディーズ映画なので派手さもないし、カタルシスもない。

 前半はダム爆破計画を着々と進めていく様をドキュメンタリータッチで見せていく社会派サスペンスのような作りになっている。ただ、途中から物語は犯行に及ぶ男女3人の愛憎ドラマへと発展し、最終的には刹那さとほろ苦さを感じるビターな人間ドラマへと昇華されていく。

 監督、共同脚本はインディーズで独特の才能を発揮しているケリー・ライカート。ある程度予想はしていたが、本作も決してウェルメイドな作りになっておらず、少し意外性を持った作品となっている。
 脚本にはライカートの盟友ジェイ・レイモンドも参加している。これまでにも彼女の作品では原案を担当したり、脚本を執筆している。

 もはやお馴染みのコンビという感じだが、前作「ミークス・カットオフ」(2010米)あたりから、社会派的な視座を持ち込んでいるのが特徴的である。「ミークス・カットオフ」では人種差別の問題、今回は環境破壊の問題。私的な作品から社会的な視野を持った作品へと創作のモティーフを広げることは、作家としての成長であるし、個人的には良いことだと思う。

 ただし、それがプラスの方向に働けばいいのだが、かえって作家性を中途半端にしてしまう可能性もあるように思った。
 あくまで個人的印象であるが、ラーカイトはやはり私的な人間ドラマを得意とする作家のような気がする。例えば、レイモンドは参加していないが長編デビュー作の「リバー・オブ・グラス」(1994米)は衝撃的な作品だった。放浪女性と飼い犬の暮らしぶりを描いた「ウェンディ&ルーシー」(2008米)にも深い感銘を受けた。これらに比べると、今回はどうにも散漫な印象を持ってしまう。社会派的なテーマを描きたいのか。それとも人間ドラマを描きたいのか。今一つはっきりせず、結果この両者が上手くかみ合っていない印象を持ってしまった。

 そんな中、キャスト陣の好演には見応えを感じた。
 特にジョシュを演じたジェシー・アイゼンバーグの目の演技が素晴らしい。「ソーシャル・ネットワーク」(2010米)の時もそうだったが、神経質で非モテな役をやらせると、本当にこの俳優はハマる。例えば、ディーナとハーモンの深い仲を知った時に見せる寂しく惨めな姿。爆破犯だと疑われることに怯える表情、オドオドした眼差しは絶品だった。
[ 2023/10/18 00:02 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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