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第三世代

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「第三世代」(1970西独)hoshi2.gif
ジャンル社会派・ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 1970年代末のベルリン。会社の秘書をしているズザンネは、裏ではテロ組織のメンバーだった。ところが、組織の実態は今や形骸化し、アジトに集まっても彼らはただ無為な日々を送るだけだった。そんなある日、仲間の一人が薬物の過剰摂取で死んでしまう。
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(レビュー)
 テロリストたちの怠惰な日々をアヴァンギャルドに綴った実験精神あふれる作品。

 製作された時代を考えると、本作は近未来SFということになる。当時は東西冷戦の真っ只中で、過激派によるテロも横行していた時代である。
 実際、この年にはよど号ハイジャック事件が起きており、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)も徐々に頭角を合わらし始めていた。本作はそんな混沌とした時代のちょっと先を描いて見せるディストピア劇となっている。

 製作、監督、脚本、撮影はニュー・ジャーマン・シネマの鬼才ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー。
 ”第三世代”と呼ばれる若者たちの刹那的で退廃的な姿を時に倒錯的に、時にシニカルなユーモアに包み込んで描いてみせている。

 演出は実験的なものが幾つか見られ、例えばシーンのバックに延々とテレビから流れるニュース音声が流れたり、ゴダールよろしくタイポグラフィー演出が見られたり等々。いかにもファスビンダーらしい遊び心に満ちた演出が面白い。

 ただ、ドラマはというと、正直余り面白みは感じられなかった。
 第一に登場人物たちが魅力に欠ける。テロ組織のメンバーは、コンピューター販売業の社長秘書、高校の女性教師、レコードショップの店員、貴族出身の青年等、年齢も職業もバラバラである。個性派ぞろいで面白くなりそうなのだが、彼らが如何にしてテロに参加していったのか。そのバックボーンが全く語られていないため、物語にも関心が持てなかった。
 また、身分を隠すために彼らは別の人物に変装したり女装するため、外見での特定が難しい。したがって、映画を観終わっても、誰に注視して物語を追いかけていけばいいのか定まらず、終始翻弄されっぱなしだった。

 映画はクライマックスにかけて、テロ組織の崩壊がスピード感あふれる演出で描かれていく。変装したメンバーの姿に道化のような滑稽さが感じられ、彼らのテロリズムの幼稚性が浮かび上がってくる。余りにもあっけない結末にしてもそうだが、ファスビンダーは世界の平穏を乱す彼らの行動をどこか冷めた目で見ているような感じがした。
[ 2024/02/01 00:48 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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