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13人の命

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「13人の命」(2022英)星3
ジャンル人間ドラマ・ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 2018年、タイ北部のタムルアン洞窟が急な豪雨で浸水し、遊びに来ていた少年サッカーチームとコーチが閉じ込められてしまう。タイ軍や各国の救援隊が駆けつける中、洞窟ダイビングの専門家であるイギリス人のリックとジョンにも招集がかかる。彼らは早速現地へ向かい少年たちの救出作戦に参加するのだが…。
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(レビュー)
 洞窟に閉じ込められた13人の少年たちの救出劇をスリリングに描いた実録映画。

 この事故は当時、大々的に報道されたので自分も目にしたことがある。ただ、事故の詳しい内容までは知らなかったので、二人の勇敢なイギリス人ダイバーの活躍があったことは知らなかった。どこまで真実に即しているのか分からないが、少なくともエンタテインメントとして非常によく出来ている。2時間半という長尺も最後までダレることなく観ることができた。

 監督ロン・ハワードの手際のいい語り口も奏功している。軽快なテンポとメリハリの利いた演出で事故当時の様子をスリリングに再現している。救出には様々な障害が立ちはだかるのだが、具体的な映像や図を使いながら分かりやすく解説されていたのも上手い。

 キャスト陣の熱演も見応えがあった。
 リックを演じるのはヴィゴ・モーテンセン、ジョンを演じるのはコリン・ファレル。今回は、ややくたびれた中年男という役作りで哀愁漂う演技を見せている。マスコミに注目されて戸惑うあたりにはユーモアも感じられた。

 映画の約半分は狭い洞窟の中で展開されるので撮影の苦労も偲ばれる。おそらく洞窟内の撮影はセットを使用しているのだろうが、絶妙なカメラワークのおかげで十分の迫力とリアリティが感じられた。
 撮影監督はサヨムプー・ムックディプローム。これまでにアビチャッポン・ウィラーセタクン監督の「ブンミおじさんの森」(2010英タイ仏独スペイン)、「MEMORIA メモリア」(2021コロンビアタイ仏独メキシコカタール)や、ルカ・グァダニーノ監督の「君の名前で僕を呼んで」(2017伊仏ブラジル米)、「サスペリア」(2018伊米)といった数々の作品で撮影をしてきた名手である。今回も良い働きぶりを見せている。

 尚、個人的に最も印象に残ったのは、閉じ込められた少年の一人が母親から手紙をもらうシーンだった。彼はこんな大事になってしまい怒られると思っていたのだが、手紙には「生きていてくれてありがとう」という感謝の言葉が綴られていて涙を流す。これには観ているこちらも感動せずにいられなかった。

 豪雨で浸水する洞窟に入って行った彼らは確かに悪いのかもしれない。わざわざ危険な場所に入って行ったのだから自業自得だ、同情の余地など無いという批判は当時もあっただろう。これは日本でも同じで、水害や山岳被害が起こった時によく耳にする批判である。少年の申し訳ないという、この気持ちはよく分かる。

 ただ、本作で一点だけ残念に思ったことは、そうした外周の批判の声、SNSやマスコミの報道などの描写が不足していたことである。確かに感動の実話だが、事故に対する批判や意見が不自然なほどオミットされている。これがあるかないかで作品の印象はガラリと変わってくるのだが、本作はそのあたりが、なおざりになってしまった感じがする。
[ 2024/02/07 00:08 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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