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娼婦ケティ

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「娼婦ケティ」(1975オランダ)星3
ジャンル人間ドラマ・ジャンルロマンス
(あらすじ)
 貧しい田舎町に生まれ育ったケティは、生活が困窮し家族揃ってアムステルダムに移住する。そこで姉は娼婦に、ケティは洗濯娘として働き始める。ところが、器量の良さを買われて彼女も娼館に預けられてしまう。ケティは様々な苦労を重ねながら逞しく成長していくが…。
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(レビュー)
 場末の娼婦が成り上がっていく様をシリアス且つユーモラスに描いた作品。

 尚、エンドクレジットで本作は実話を元にしているというテロップが出てくる。ニールという女性の回想録を元にしているそうだが、果たしてどこまで真実に迫る内容なのか。余りにもドラマチックなケティの半生に少し疑いの目を持ちたくなってしまった。本人の回顧録なので客観性という点で説得力に欠ける気もする。

 ただ、エンタテインメントとして割り切ってしまえば大変面白く観れる作品である。波乱に満ちた一人の女性の生き様が赤裸々に活写されていて見応えを感じた。

 物語序盤は極貧一家を支える少女の境遇が重苦しく描かれている。
 年端も行かぬ少女に対する性搾取は観てて決して気持ちの良いものではない。ただ、時代背景を考えれば、実際にこういうことはあったのだろう。

 映画は中盤からヒューゴという紳士が登場してきて、ケティとのメロドラマに発展していく。彼女の人生はここから上昇していき、徐々にユーモアも出始めて面白く観れるようになった。

 残念だったのはクライマックス以降の展開である。一応中盤でこうなる伏線は張られていたのだが、性急すぎて今一つ乗りきれなかった。ここはドラマ的にも大きな見せ場と言って良い展開である。もっとじっくりと演出して欲しかった。

 監督は鬼才ポール・ヴァ―ホーヴェン。今回は娼婦の物語だけにエロスに関しては”らしさ”を見せている。

 例えば、処女だったケティが娼館のオーナーにレイプされるシーンは強烈な印象を残す。影絵で遊ぶ純真無垢な彼女の破瓜が残酷に表現されている。揺れるテーブルの演出にヴァ―ホーヴェンらしい暴力性が感じられた。
 また、娼館の老いた客がケティと姉を一緒に買春するシーンもインパクトがあった。アブノーマルな性的嗜好に唖然とさせられる。

 本作は撮影も素晴らしい。撮影監督は後にハリウッドで監督として活躍することになるヤン・デボンが務めている。ブルーのトーンを基調にした寒々しい映像でケティの荒んだ心が見事に表象されている。冒頭の雄大な海の景観や、夕焼けの光で金色に輝く美しい草原のカット等、自然描写も見事である。

 キャストではケティを演じた女優の熱演が素晴らしかった。薄汚れた小娘という風貌から、魅惑的な娼婦の顔へ、そして自立した淑女へと見事な変遷を見せている。女の一生を堂々とした演技で披露していて感心させられた。
 ヒューゴ役はオランダ時代のヴァ―ホーヴェン作品の常連ルトガ・ハウアーが演じている。こちらも正にハマリ役と言えよう。
[ 2024/02/18 00:28 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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