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ダブル・サスペクツ

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「ダブル・サスペクツ」(2019仏)星3
ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 強盗や麻薬の密売など凶悪犯罪が多発するフランス北部の街ルーベ。警察署長のダウードは、クリスマスの夜に起きた放火事件を捜査中、事件の目撃者であるシングルマザー、クロードの元を訪ねる。彼女の証言から早速、犯人探しが始まるのだが…。
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(レビュー)
 多くの移民が住む犯罪多発地帯を舞台に、ダウード署長の視点で物語は展開されていく。放火事件、保険金詐欺事件、強盗事件、連続強姦事件等、そこから見えてくるのは貧困に喘ぐ移民の実態である。
 そんな中、ある老婆宅で強盗殺害事件が起きる。ダウードはこの事件に注目し早速、捜査を始めていく。すると、意外な真実が見えてくる。
 正直、前半は展開が鈍重で少し退屈してしまったのだが、この老婆の強盗殺害事件あたりから徐々に面白く観れるようになった。

 この事件で容疑者となるのは、シングルマザーのクロードと彼女のルームメイトのマリーである。実は、二人は恋人同士で、クロードには施設で暮らす幼子がいる。経済的に困窮する二人は、いつか子供を引き取って育てたいと願っている。

 そんな二人にダウードは目を付ける。現場に残された状況や、前段の放火事件におけるクロードの証言の曖昧さなどから、老婆を殺害したのは彼女たちではないか…と睨んで取り調べを開始するのだ。

 映画は基本的にダウードの視座で進行するのだが、後半から自分はクロードとマリーの方に感情移入しながら映画を観た。
 何と言っても、クロードを演じたレア・セドゥ、マリーを演じたサラ・フォレスティエの熱演に引き込まれてしまった。特に、レア・セドゥの泥臭く、繊細さを伴う演技が圧巻だった。

 監督、共同脚本は「クリスマス・ストーリー」(2008仏)等のアルノー・デプレシャン。
 前半の群像劇風な作りに若干のもたつきが感じられたが、後半からはドラマの芯がしっかりと立ち上がり面白く観ることができた。演者の熱演にジックリと寄り添うカメラワークも素晴らしい。
 また、事件解決後のエピローグも中々味わい深かった。ダウードと新任警部補の公私にわたる関係が、このエピローグを含め、随所に抒情的な味わいをもたらしていて鑑賞感を清涼なものとしている。

 キャストではヒロインふたりの熱演に目が行きがちだが、本来の主役であるダウード署長を演じたロシュディ・ゼムの人間味あふれる造形も素晴らしい。実はダウード自身が移民だったという過去を持っており、刑事としてだけでなく、一人の人間として街の悲惨な状況を憂いており、そのあたりの葛藤が見事に体現されているように思った。
[ 2024/05/07 00:11 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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