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BOLT

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「BOLT」(2019日)hoshi2.gif
ジャンルSF・ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 大地震の影響で原子力発電所のボルトがゆるみ、冷却水が漏れ始める。作業員は仲間と共にそのボルトを締めるために決死の覚悟で発電所に突入するが…。
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(レビュー)
 東日本大震災をモティーフにしたSFドラマで、映画は永瀬正敏演じる発電所の作業員を主人公にしながら3つのエピソードで構成されている。

 一つ目のエピソード「BOLT」は、原発事故の対処に当たる作業チームの作戦シーケンスで構成される。
 予算が少ないということもあろう。密室劇的なミニマルな作りで、余りリアリティが感じられないのが難だが、ダークで冷ややかな雰囲気を漂わせた発電所のセットはシュールな魅力を放ち面白いと思った。これは現代アーティスト、ヤノベケンジが美術館展示のために建造したものらしい。

 ちなみに、ヤノベケンジは福島第一原発事故をモティーフにした作品を製作して風評被害などを理由に物議を醸した人物である。その良し悪しについては個人的に思う所がある。ここでは詳しく述べないが、少なくとも世間に公開する以上、それがどういう波紋を及ぼすのか。表現者であれば、そのあたりの想像力は働かせてほしいものである。

 エピソード2「LIFE」は、原発事故後の永瀬が事故の被害者宅を回って遺品整理をするエピソードである。事故を防げなかった自戒の念。自分が今やれることは何なのか?そうした苦悩が切々と描かれている。永瀬の抑制を利かせた演技が絶品だった。

 エピソード3「GOOD YEAR」は、かなり幻想的な作風で賛否が分かれるかもしれない。エピソード2から更に数年後を舞台としており、自動車工場で働いている永瀬の元に謎の美女が現れる…というミステリアスな内容になっている。しかし、彼女が一体何者なのか?そして、彼女と瓜二つのもう一人の女性が登場するのだが、彼女は一体何を意味しているのか?そのあたりが判然とせず、個人的には余り入り込むことが出来なかった。

 監督、脚本は、「夢見るように眠りたい」(1986日)で鮮烈なデビューを果たした林海象。
 エピソード3のような幻想的なトーンは相変わらず上手いのだが、いかんせん今回のような実際に起こった事件をモティーフにした作品では、その特性は諸刃の刃になりかねない。シビアな”現実”を寓話として表現すること自体に否定はしないが、そこには作り手側のセンスと思考が大きく反映される。ましてや東日本大震災をモティーフにした作品は数多く作られており、それらと比較されることは当然避けられないわけで、もっと慎重に描いて欲しかった…という気がした。確かに差別化という意味では成功しているのかもしれないが、作品としては力に欠ける映画になってしまった。
[ 2024/04/21 00:41 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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