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オー・ルーシー!

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「オー・ルーシー!」(2017日米)星3
ジャンルロマンス・ジャンルコメディ
(あらすじ)
 43歳の独身女性・節子は、退屈な会社勤めの日々にうんざりしていた。ある日、姪の美花の勧めで英会話教室に通うことになる。そこで出会ったアメリカ人講師ジョンにほのかな恋心を抱くのだが…。
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(レビュー)
 英会話教室で知り合ったアメリカ人講師にほのかな恋心を抱く中年女性をユーモアを交えて描いた作品。

 映画前半は節子の鬱屈した日々を映しながら、彼女の孤独を淡々と浮かび上がらせていく作りになっている。やや平板な展開が続くものの、随所にちりばめられたクスリと笑えるようなユーモアが奏功し中々面白く観ることが出来た。また、節子の寂しさや日々の不満といったものもよく伝わってきた。

 映画は中盤で大きな転換を迎える。節子は姪の美花の母・綾子と一緒に渡米し、英会話講師のジョンと再会を果たすのだ。ここから節子の恋心が前面に出始める。常に仏頂面で他者との関わり合いを拒んできた節子に笑顔が見え始め、徐々に愛らしく見えてくるあたりが一つの妙味となっている。

 ただ、一つだけ残念に思ったのは、クライマックス以降の展開である。かなり衝撃的な展開が待ち受けており素直に笑えないコメディになってしまった。それまでのトーンを考えると賛否が分かれそうである。

 また、節子とジョンが親密になっていく過程がやや淡泊に映ってしまったので、もう少し丁寧に描いて欲しかった。そうすれば二人の感情には更に説得力が増しただろう。

 監督、脚本は本作が長編デビュー作の女流監督ということである。元々は彼女が撮った同名の短編があり、それを長編化したのが本作ということだ。

 各所にシニカルなユーモアが配されており、いわゆるウェルメイドなロマコメとは一線を画した所に独特の作家性が感じられる。中年女性の孤独をシリアスに投影した所も面白く、意外に骨のある作品となっている。

 尚、本作はサンダンス映画祭のサンダンス・インスティテュート/NHK賞をきっかけにして製作された作品である。実は、ここから世に出た作品を自分は何本か観ていて、いずれも個性派ぞろいで楽しめた。
 例えば、ロドリゴ・ガルシア監督の「彼女を見ればわかること」(1999米)、浅野忠信とミュージシャンのUAが共演した「水の女」(2002日)、グロテスクなカルト作「タクシデルミア ある剥製師の遺言」(2006ハンガリー仏オーストリア)、ユニークなSF設定が印象的だった「クローンは故郷を目指す」(2008日)等、中々面白い作品が多い。

 キャストでは、節子を演じた寺島しのぶの好演が印象に残った。ややもすればサイコパスな役になってもおかしくない所を、上手くリアリティのあるキャラとして成立させており、さすがに上手い。
 ジョン役はジョシュ・ハートネットが演じている。かつての二枚目スターも良い感じのヤクザな中年男になっていて新鮮に観れた。
 他に、美花役を忽那汐里が演じている。昨今は日米をまたにかけて活躍しているが、今後も海外での活躍が期待される。

 主要スタッフはほぼアメリカ人で占められており、製作総指揮に「俺たち~」シリーズ等で知られるアダム・マッケイとウィル・ヘレルが参加しているのも要注目である。
[ 2024/04/25 00:39 ] ジャンルロマンス | TB(0) | CM(0)

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