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あにいもうと

ラストの京マチ子のセリフが全てを物語っている。しみじみとくる。
あにいもうとあにいもうと
(2005/05/27)
京マチ子久我美子

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「あにいもうと」(1953日)star4.gif
ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 東京の学校に通う次女の”さん”が久しぶりに実家に帰ってきた。両親は小さな商店を営んでいるが、父は飲んだ暮れてばかりで、実際には母が一人で切り盛りしていた。家にはそのほかに仕事もせず女を渡り歩いている長男と、身重の出戻りである長女の”もん”がいた。ある日、兄はもんをふしだらな女と罵って家から追い出してしまう。数ヵ月後、真面目そうな学生がもんのお腹の父親だと名乗り出た。一方、さんには結婚を決めていた幼馴染太一がいたが、もんの醜聞が原因でそれも叶わずにいた。そうこうしているうちに、太一が見合いすることになり‥。

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(レビュー)
 ワケあり一家の悲喜こもごもをシリアスとペーソスで綴った成瀬己喜男監督の作品。

 家族の悩みの種は、妊娠した未婚の姉とニートの兄の確執である。まったくもってどうしようもない兄妹だが、テンポの良い展開と歯切れの良い会話で不思議と嫌味なく見れてしまった。成瀬己喜男の演出、俳優陣の卓越した演技の賜物だろう。

 この映画は最初から最後までキャラクターの魅力で引っ張っているようなところがある。まず、帰省したさんの視座で家族が直面する問題を紹介していくのだが、その導入をきっかけにしてそれぞれのエピソードが枝葉のようになって綴られていく。展開が進むにつれて、一見嫌に思えるキャラも少しずつだが愛嬌を見せていくのが特徴的だ。

 例えば、厳格な父が飲み屋で見せる顔はどこか寂しげで哀愁を漂わせる。ボンクラな兄の不器用な優しさは何だか愛しく見えてくる。また、前半で涙ながらに傷心したもんは後半で思わぬ豹変を見せ、これが意外なギャップを生み魅力的に思えた。一方、母はひたすら大きな母性で彼らを包み込む。これまた中々味があって良い。このように良い所も悪い所も含め、それぞれに人間味溢れるキャラクターになっているところが、この映画の大きな魅力である。

 ただし、肝心のさんだが、こちらは周囲に比べると地味でやや面白みに欠けるキャラだった。もんとの対比、観客の目線として存在することを考えた場合仕方がないかもしれないが、幼馴染太一との関係においても今ひとつ主張に欠ける。どうにも主役としての存在感が薄い。

 尚、ラストのもんのセリフにはしみじみとさせられた。ここに映画のテーマが集約されていると思った。
 こういうセリフは何度も聞いているのでもう聞き飽きた‥と言われるかもしれないが、そもそも本作はいたって通俗的なホームドラマである。敢えてベタに締めくくったのは、成瀬が本作の普遍性を信じて疑わなかった証拠であろう。その自信がこのラストから感じ取れる。安心して見ることができる佳作である。
[ 2008/09/25 02:53 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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