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ナッツ

B・ストライサンドは大した女優だと思う。
女優業のみならず、監督業、歌手業、政治運動、様々な舞台で活動しているからだ。
しかし、これほど好き嫌いがはっきりと分かれる女優も珍しい。
逆に周囲が彼女をアイコン化し過ぎている向きも無きにしも非ず‥なのだが。
ナッツナッツ
(1988/12/07)
バーブラ・ストライサンド

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「ナッツ」(1987米)星3
ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 客を殺害した容疑で高級コールガール、クローディアが起訴された。予審で弁護士が精神障害(ナッツ)を主張するが、彼女はそれを否定した。クローディアはその場で弁護士を殴り倒し、改めて官選弁護人のレビンスキーが選ばれる。レビンスキーは彼女との会話からすぐに正常であることを確信した。予審が再開された。クローディアの両親、精神鑑定医の証言等から、驚くべき事実が明らかになってくる。
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(レビュー)
 クローディアがなぜ娼婦になったのか?なぜ客を殺したのか?その理由が法廷で明らかにされていく中で彼女の過去が露わになってくる。それは虐げられる女性の歴史であった。実にやるせない思いにさせられる。‥と同時に、一個人が精神障害者として社会から葬り去られることの怖さもこの映画は描いている。

 裁く上での責任能力あるやなしや?という問題は、しばしば法廷ドラマで取り上げられるテーマだ。この映画も一見するとそれを描く作品に見える。しかし、実際には少し違う。権力に対する必死の抵抗、それがテーマになっている。つまり、司法上の問題を描くのではなく、より根本的なヒューマニズムを問題にしているのだ。メッセージが真摯に発せられており、中々の力作だと思った。

 B・ストライサンドは、本作で製作も兼ねながらクローディアを熱演している。彼女はこの頃すでにフェミニズムのアイコンとなっていたから、クローディアという娼婦の役にかける思いも並々ならぬものがあったのだろう。それは彼女の熱演を見れば十分に分かる。ただ、余りにも過剰なためやや空回りしているという感じも受けてしまった。
 対する、弁護士レビンスキー役を演じるのはR・ドレイファス。こちらは懐の深い演技を見せている。

 原作は舞台劇ということである。法廷シーンを含め、ほとんどが白熱したダイアローグの応酬の連続で見応えがあった。例えば、ストライサンドとドレイファスが初めて対面するシーン。のっけから喧嘩腰のストライサンドに、誠意とユーモアを持って接するドレイファス。対立から融和の過程がよく描けている。
 他のキャストも芸達者なベテラン俳優が脇を固めているので、全体的に安定したクオリティが維持されている。こういう舞台劇的な作品は、やはりキャストの良し悪しで大体が決まると思う。本作はそこに関しては上々の出来栄えである。
[ 2008/02/20 03:52 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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