FC2ブログ










王手

劇画チックで面白い。阪本順治は戦う男の姿を描くのが上手い。
王手 デラックス版王手 デラックス版
(2007/02/23)
赤井英和加藤雅也

商品詳細を見る

「王手」(1991日)star4.gif
ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 大阪新世界に賭け将棋で飯を食っている真剣師飛田がいた。プロアマ勝ち抜き選手権で快進撃を続ける彼は、知る人ぞ知る存在になっていた。しかし、性格はいたって奔放。借金取りに追われ、気がつけば遠く離れた日本海の温泉街にやってきた。そこでストリッパーの照美と行きずりの一夜を過ごす。一方、彼の相棒で奨励会の若手のホープ香山は、いつかプロになって幼馴染加奈子と結婚することを夢見ていた。ところが加奈子に中々告白できず、飛田に振り回された挙句奨励会を破門になってしまう。そんな二人の前に伝説の真剣師三田村が現れる。
DMM.comでレンタルする
映画生活
goo映画

ランキング参加中です。よろしければポチッとお願いします!

FC2ブログランキング
にほんブログ村 映画ブログへ人気ブログランキングへ


(レビュー)
 真剣師達の熱い戦いを描いた作品。

 本作は何から何まで劇画的に作られている。一番それを強く感じるのはキャラクターの造形である。
 破天荒な性格の主人公・飛田はもちろんのこと、彼とは対照的なナイーブな香山も実にコミック的である。他にも濃いキャラはたくさん登場してくる。生意気な小学生、どこか憎めない借金取り。更には、飛田と対局する敵キャラも皆、際立っている。盲目の真剣師や伝説の老真剣師等、実にユニークだ。

 しかし、一方で女性キャラは男性勢に押され気味でやや影が薄い。母性で包み込む照美やいかにも現代っ子な加奈子等、明確には造形されているが、いずれも紋切り的で面白みに欠ける。男の戦いを描く物語なので、その辺の造形の甘さはそれほど気にならないが、やはりどうしても物足りなく感じた。

 物語は勝負事を描くドラマとしては、かなりオーソドックスに展開されている。将棋の世界というと特殊な感じを受ける人もいるかもしれないが、誰もが入り込みやすいドラマで、飛田の勝負にかける強い思いもストレートに伝わってきて見ていて気持ちが良い。
 ただ、余りにもシンプルに展開されるので少し食い足りない感じもした。本作ではサブキャラである香山や照美のドラマを最終的に放りっぱなしにしている。彼等のその後を想像させるような”何か”が劇中に散りばめられていれば、このドラマにはもっと奥行きが出てきただろう。余韻や深みを出す粋な配慮、更には繊細さに若干欠けるような気がした。

 監督は阪本順治。硬派な演出を信条とする一方で、コメディタッチも得意とする作家である。その手腕は本作でも存分に感じられた。特に、クライマックスとなる通天閣を舞台にした戦いのシーンに彼の真骨頂が感じられる。劇画調な戦いに傾倒しすぎな感がしなくもないが、新鮮に楽しめた。
 また、大阪が舞台ということもありギャグはコテコテ系が多い。そこは明らかに監督の狙いなのだろう。個人的には扇子のネタが最も笑えた。

 原作と脚本は本作がデビューとなる豊田利晃。後に監督として一本立ちしていくが、彼の監督デビュー作「PORNOSTAR ポルノスター」(1998日)を見る限り、泥臭い青春劇が彼の持ち味のように思う。その片鱗が本作の飛田のキャラクターに見れて興味深かった。

 キャストでは、飛田役の赤井秀和の演技が全体的に固すぎるのが残念だった。デビュー作である「どついたるねん」(1989日)から2年。ほとんど変わっておらずこれは全体の雰囲気を壊すほどに致命的である。将棋をさす”動”のシーンはまだ見られるのだが、日常会話等の”静”のシーンになると演技がカチコチに固くなってしまい見てられない。飛田の一本気なキャラクターにハマっていただけに、もう少し演技が上手ければ‥と残念に思った。
[ 2008/11/26 01:08 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://arino2.blog31.fc2.com/tb.php/306-a5aaf672