FC2ブログ










殺人カメラ

何となく藤子不二雄Ⓐのようなブラックなテイストがある。
殺人カメラ (トールケース) [DVD]殺人カメラ (トールケース) [DVD]
(2004/05/25)
ジェンナロ・ピサノウィリアム・タッブス

商品詳細を見る

「殺人カメラ」(1952伊)星3
ジャンルコメディ・ジャンルファンタジー
(あらすじ)
 イタリア南部の小さな漁村。大聖堂の祝祭日に、人の良い写真家チェレスチーノは、多くの人でにぎわう祭りの様子を写真に撮ろうとした。ところが、そこを暴君の警察署長に邪魔されてしまう。その夜、彼の店に聖アンドレアを名乗る老人がやってきた。チェレスチーノは彼から不思議な力を貰う。写真の被写体をカメラで撮ると本人を殺せるというのだ。試しに警察署長の写真を撮ってみた。その直後、本当に彼は突然死した。こうしてチェレスチーノは町中の悪人を次々とカメラで殺していくようになる。
映画生活
goo映画

ランキング参加中です。よろしければポチッとお願いします!

FC2ブログランキング
にほんブログ村 映画ブログへ人気ブログランキングへ


(レビュー)
 殺人カメラというアイテムが斬新なブラックコメディ。

 神の手が誘うようにして始まる訓話だが、社会を風刺したところが中々鋭い。傲慢な警察署長、私利私欲に走る村の要人達、悪徳高利貸し等がこの村を牛耳っている。その影では貧困に喘ぐ村民達がいる。富める権力者と貧しい一般市民。社会の縮図がこの物語にはっきりと描きこまれている。コメディでありながら一定のリアリズムを持った作品だ。

 いかにも小市民なチェレスチーノだが、彼の行動を追いかけてみると色々と興味が尽きない。
 彼は聖人アンドレアから貰ったこの力を使って、腐敗した社会を救おうと悪人達を片っ端に処刑していくのだが、次から次へと悪の芽が出てキリが無い。初めこそこの力を使うことに恐怖するが、中盤辺りからは涌いて出る悪人等を何のためらいも無く写真に撮っていく。この奔走劇がドタバタ調に描かれていて可笑しい。
 しかし、彼の行動を考えてみると何となく気の毒な一面も見えてくる。いくら悪人と言ってもその命を奪う権利は誰にも無いはずである。彼は妄信的に正義を振りかざしていくが、果たしてそれは彼自身が望んだことだろうか?客観的に観ればただの連続殺人鬼に過ぎないわけで、平凡で人の良さそうな彼をこんな風に変えてしまったのは、何を隠そう悪が絶えないこの社会なのではないかという気がする。彼に何故か同情してしまうのだが、それはこうしたバックストーリーがあるからであろう。彼を単なる処刑人ではなく、ちゃんと感情移入できるキャラクターに仕立てている。この作り方は非常に上手い。

 本作は基本的にコメディであるので、クスクスと笑えるシーンもたくさんある。
 例えば、ホテル建設のためにやってきたアメリカ人の富豪と地元人の対比はユーモラスである。また、死体を渡り歩く神父と医者のコンビのやり取りにもブラックなユーモアが感じられた。

 笑えて、少し怖くなって、最後に色々と考えさせられる‥中々奥の深い作品であった。
[ 2008/12/17 01:08 ] ジャンルコメディ | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://arino2.blog31.fc2.com/tb.php/320-623756e1