ラス・メイヤー映画初体験なのだが‥なるほど、頭悪すぎ。
しかし、何なんだ?この超展開のクライマックスは!
「ワイルド・パーティー」(1970米)
ジャンルコメディ・ジャンル音楽・ジャンルエロティック
(あらすじ) ケリーは売れない女性バンドのヴォーカリストをしている。事業を営む叔母のコネで彼女は名プロモーター、Zマンのパーティーに招待された。そこでバンドメンバーは様々な業界人と関係しメジャー・シーンでのし上がっていく。しかし、私生活ではドラッグとセックスに溺れていくようになり、ケリーはマネージャーで恋人のハリスと破局を迎えてしまう。
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(レビュー) ショウビズ界の光と影をグラマスに綴った音楽青春映画。
監督はピンク映画界の巨匠ラス・メイヤー。本作は彼にとっての初のハリウッド作品である。一応メジャー映画であるが、前半は10分に一度はセックスシーンが登場してくる。現在なら確実にR指定間違いなしだ(当時はXレイトとして規制された)。ただ、ハリウッドに気を使ったどうか分からないが、後半は前半に比べるとポルノ描写は幾分大人しめになる。死ぬまで巨乳を愛し続けたオッサンも、一般映画ではさすがにあからさまに趣味丸出しとはいかなかったか‥?
この映画には面妖なキャラが多数登場してきて面白い。
胡散臭い風貌のZマンに始まり、バイセクな彼の恋人ランス、元ナチの召使、キッチュな仮装女等、見るからにキワモノばかりだ。さながらショウビズ界は変態の巣窟と言った感じであるが、むろんこれらは毒を含んだ風刺に他ならない。アンダーグランウンドを歩んできたラス・メイヤーのこと。彼なりの”やんちゃ”なカウンター・スピリットが見えてくる。
ドラマ自体はありきたりという感じがした。
ドサ回りをしていたケリー達はZマン達パトロンに取り込まれながら青春をズタボロにしていく‥というストーリーで、正直余りパッとしない。加えて余りにも安易な展開に唖然とさせられた。
但し、グルーヴ感溢れるクライマックスのパーティー(?)シーンはかなりの超展開で、何だか大変なモノを見てしまった‥という妙な満足感が得られた。
尚、タランティーノが「キル・ビル」で本作にオマージュを捧げている事は一部でよく知られている。冒頭のシーンとクライマックスシーンにそれらしきものが見られてニヤリとさせられた。