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殺人狂時代

痛快無比なブラック・コメディ。
殺人狂時代 [DVD]殺人狂時代 [DVD]
(2006/02/24)
仲代達矢団令子

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「殺人狂時代」(1967日)star4.gif
ジャンルコメディ・ジャンルアクション
(あらすじ)
 犯罪心理学の教授桔梗信治は見るからに冴えないマザコン男。ある日、人類調節審議会を名乗る謎の男に命を狙われる。奇跡的に窮地を脱したが、人類調節審議会は恐るべき陰謀を持った巨悪犯罪組織だった。ひょんなことで知り合った女性記者啓子と車泥棒大友の協力を得ながら組織に戦いを挑んでいく。
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(レビュー)
 正直、前半の寒いギャグの連発と強引なオカルト要素の持込みにうんざりさせられたが、人類調節審議会のボス溝呂木が信治の前に正体を見せるあたりから活劇度がグンと高まり面白く見れた。

 溝呂木のキャラクターが強烈である。ヒトラー信奉者のマッドサイエンティストという設定。しかも、天本英世が嬉々として演じている。いやがうえにもショッカーの死神博士を連想してしまうが、これがインパクト大である。
 彼の命令で動く殺し屋達も皆個性的で面白い。中でも、眼帯の毒針女はビジュアル的にかなり美味しい。もう少し活躍の場があっても良かったような気さえした。
 信治役は仲代達也が演じている。とぼけた表情で素っ頓狂なリアクションをするのだが、それは世間の目を隠すための仮の姿。「能ある鷹は爪隠す」を地で行く切れ者である。スパイ映画における典型的な造形だが、このギャップがたまらなく魅力的である。

 アクションでは、どんでん返しの連続で描かれるクライマックスシーンが特に見応えがあった。その後に続くオチも予想外で楽しめる。
 また、信治達が自衛隊演習の中に放り込まれるシーンも痛快だった。今なら考えられないような撮影の仕方をしている。良くも悪くも、アナログ時代の”写真屋達”の熱気というものが感じられた。
 監督は岡本喜八。このあたりの無茶振り、破天荒さは正に彼の真骨頂だろう。後半のアクションだけで十分お腹は満たされました(^_^;)

 尚、本作は一部でカルト視されているが、それは内容が余りにもブラック&シュール過ぎる所から来ているように思う。そもそも精神病患者を殺人マシーンに養成する、という発想からしてかなり危ない。放送禁止用語も連発されるのでテレビ放送にも向かない。故に、こうして幻の作品になっていったのだろう。
 今見ると言われるほど過激な気はしないのだが、本作に限らず古い作品は一度埋もれると再発掘されるのは中々難しい。
[ 2009/01/17 14:10 ] ジャンルアクション | TB(0) | CM(0)

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