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松ヶ根乱射事件

雪、犯罪、愚鈍な人物達が織り成す乾いた笑い。コーエン兄弟の「ファーゴ」を連想させる。
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(2007/08/22)
新井浩文山中崇

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「松ヶ根乱射事件」(2006日)星3
ジャンルコメディ・ジャンルサスペンス・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 雪に閉ざされた松ヶ根村。光太郎は派出所に勤務する真面目な警察官。ある朝、ひき逃げされた女性の死体が見つかる。検死に立ち会うと女性に息があることに気付き驚く。幸い軽症ということで彼女は病院で手当てを受け、恋人のヤクザの元に帰って行った。実は彼女を引いたのは光太郎の双子の兄光だった。光は光太郎とは対照的な自堕落な青年である。ヤクザに見つかった光は脅迫される。
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(レビュー)
 寒村を舞台にしたオフビートなサスペンス・コメディ。

 監督は山下敦弘。前作「リンダリンダリンダ」(2005日)はかなりウェルメイドな作りだったが、本作は彼の原点に戻ったかのようなタッチで描かれている。ダメ人間達が織り成すスラップスティックな騒動劇は、いかにも本来の山下節だ。

 物語は、ヤクザの悪企みに光が巻き込まれることでサスペンス・タッチな展開で進んでいく。そこに兄光太郎が関与することで、後半から彼ら双子を中心としたビターな家族ドラマに発展していく。安易にジャンル分けするのを拒むような作りで、それゆえ本作を見て今ひとつ何が言いたいのか分からない、スッキリしないという感想を持つ者もいるだろう。一筋縄ではいかないという意味で言えば、玄人好みの作品かもしれない。

 山下節の真骨頂は後半の展開に見られる。ここでキーマンとなるのは光太郎達の父豊道だ。彼は大人になりきれないダメ親父で、仕事もせずに愛人宅に転がり込んでいる。そこには知的障害の娘がいて、とんでもないことに”親子どんぶり”の悪行にはしっているのだ。人間のダークサイトを表した俗物だが、しかし山下監督の手にかかるとこれが不思議とブラックジョークのようなテイストにアレンジされていく。最後には、こんなダメ親父の背中にも一瞬だが哀愁が立ち現れ、愛しくも愚かな本来の人間の姿を垣間見せてくれるのだ。このあたりの描き方が実に堂に入っている。

 俳優陣では、ヤクザ役の木村祐一が思いのほかイイ味を出していた。持ち前の仏頂面が狂気とも笑気ともつかぬ独特の造形を成している。銀行のシーンで見せるオフビートな笑いは、彼だからこそ出せる笑いだと思う。
 また、普段から喧嘩っ早い役を演じることが多い新井浩文を、真面目な警察官・光太郎役にキャスティングしたのは意外性を狙ってのことだろう。これも面白い試みだと思えた。彼がいつぶち切れてピストルを乱射するのか?タイトルに「乱射事件」と付いてるので画面を見ながらハラハラしてしまった。
[ 2009/01/21 20:11 ] ジャンルコメディ | TB(0) | CM(0)

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