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永遠のこどもたち

単なるホラーだと思っていたら大間違い。怖くて感動できる中々の佳作だった。
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「永遠のこどもたち」(2007スペインメキシコ)star4.gif
ジャンルホラー・ジャンルサスペンス・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 ラウラは夫と幼い息子と、海辺の古い洋館に引っ越して来た。実はそこはラウラが育った孤児院で思い出深い場所だった。彼女はここで障害者の為の施設を開こうとする。ところが越して早々、息子のシモンに空想癖が現れる。姿の見えない友達イマジナリーフレンドと遊ぶようになったのだ。心配するラウラを一人の老女が訪ねてきた。何の前触れも無くハウスキーパーの仕事を申し出る彼女に、ラウラは怪しさをおぼえ追い返した。数日後、いよいよ施設のオープンの日がやって来る。賑やかに開園パーティーが開かれる中、シモンが謎の失踪を遂げる。
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(レビュー)
 失踪した息子を捜索する母親の姿を、孤児院にまつわる恐怖を交えて描いたサスペンスホラー作品。

 天井裏から異音が聞こえたり、いないはずの孤児が見えたり、A・アメナーバル監督の「アザーズ」(2001米スペイン仏)と似たようなゴシックホラーのテイストで進むが、ラストは意外にも叙情的なテイストで締めくくられる。母性愛というテーマが切ない形で浮き彫りにされ、思わずホロリとさせられた。

 物語は、シモン失踪事件と孤児院にまつわる過去の事件、この二つを巧みに相関させながらミステリアスに語られていく。実は、この二つの事件には共通点がある。シモン捜査にはラウラの母性愛が、孤児院の事件には、ラウラを訪ねた謎の老女ベニグナの母性愛が描かれている。
 母性愛と一口に言っても、そのかたちは様々である。ラウラの愛は実に純粋で神々しい。それは孤児という出自から来る慈悲深さが生んだものに相違ない。対する、ベニグナの愛はどこか偏執的で歪んでいる。彼女のバックストーリーの詳細は語られていないので、はっきりとした事は言えないが、おそらくは養子として幸せな暮らしを送ったラウラとは正反対の青春を歩んだのだろう。それが彼女を屈折した愛に走らせたと読み取れた。
 愛は人を幸福な気持ちにする一方で、逆に狂気に駆り立てることもある。ラウラとベニグナ。この二人を通して母性愛の両面を描いたところに、この映画の奥深さがあると感じた。

 音楽の使い方も上手い。抑制を効かせたスコアを基本に恐怖と緊張感を持続させるが、ラストでは一転、叙情的な盛り上げを見せる。ラストの感動はこの音楽のせいもあったように思う。

 ラウラ役を演じたのは「海を飛ぶ夢」(2004スペイン)のベレン・ルエダ。絶望感、喪失感を表した好演が光る。
 監督はこれが初演出の新人監督ということだが、製作総指揮に「パンズ・ラビリンス」(2006メキシコスペイン米)のギレルモ・デル・トロがいることは大きいと思う。御伽話の要素が本作にも重要なモチーフとして入っている。また、死生の世界を巡る物語という点でも共通している。この両作品は姉妹編という観点から見ても面白いと思う。
[ 2009/02/12 00:39 ] ジャンルホラー | TB(0) | CM(1)

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[ 2009/02/15 03:19 ] [ 編集 ]

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