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デルス・ウザーラ

命がけの撮影をしている。この「リアル」さには脱帽。
デルス・ウザーラ モスフィルム・アルティメット・エディション [DVD]デルス・ウザーラ モスフィルム・アルティメット・エディション [DVD]
(2006/04/26)
ユーリー・サローミンマキシム・ムンズク

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「デルス・ウザーラ」(1975ソ連)star4.gif
ジャンル人間ドラマ・ジャンルアクション
(あらすじ)
 1902年、シベリアのウズリ地方にアルセーニエフ率いる地質調査隊がやってきた。一向は森の中で奇妙な猟師デルスに出会う。彼が住んでいた村は伝染病で絶滅したと言う。自然と共生する彼には不思議な能力が備わっていた。調査隊はその能力を買って彼に案内役を頼む。その後、アルセーニエフとデルスが隊からはぐれてしまう。そこに猛吹雪が襲い掛かり‥。
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(レビュー)
 地質調査隊の隊長アルセーニエフと過酷な自然に生きる猟師デルスの友情を、スケール感タップリに描いた黒澤明監督の作品。

 前半は、極寒の大地を舞台にしたアドベンチャー趣向の強い作劇で引っ張って行ってる。雄大な自然を捉えたリアルな映像が素晴らしい。正に体力勝負の撮影で頭を垂れる思いだ。特に、漆黒の闇夜に浮かぶ赤い月、その光が青白い氷上に反射するカットはこの世のものとは思えないほど神秘的で印象に残った。

 映画はこの冒険談の中でアルセーニエフとデルスの交友を描いていく。ここでのクライマックスは、隊からはぐれた二人がブリザードに晒されるシーンだ。急場を凌ごうと即興で茅葺小屋を作ろうとするのだが、その材料のために草刈が始まる。吹雪が吹き付ける中、二人は必死になって草を刈るのだが、これが正に地獄絵図。妥協を許さない黒澤演出もあいまって、迫力のあるシーンに仕上がっている。そして、この地獄を乗り越えることで二人の絆はより深まり、以後の友情というテーマにも説得力がもたらされることになる。CGでどんなにリアルに再現してもやはりホンモノにはかなわない、ということを改めて認識させられる。

 後半は、アルセーニエフがデルスと再会する所から始まるのだが、ここから映画は前半で小出しにしていたスピリチュアルな要素を前面に出し始める。しかし、正直ここまで”あっちの世界”に入ってしまうと少々戸惑ってしまう。自然に生きるデルスと文明に生きるアルセーニエフの対比、つまり「自然」対「文明」を描こうとしたのだろうが、やや抽象的過ぎる。
 ドラマの結末も、狼に育てられた少年の話と同じでやや安易に思えた。例えば、F・トリュフォーがその逸話を題材に「野性の少年」(1969仏)という作品を撮っている。自然を調教する人間の残酷さが強烈に提示されていたが、本作にはそこまでのシニカルさは無い。確かに物悲しいラストではあるが、感動できるほどの盛り上がりは感じられなかった。

 本作は剛直さ、力強さがありテーマはストレートに発せられてると思う。ただ、反面繊細さには欠けるような気がした。
[ 2009/02/28 01:33 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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