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暴行

黒澤明の「羅生門」をアメリカでリメイクした作品。
「暴行」(1967米)星3
ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 ある雨の日。寂れた駅で牧師と炭鉱夫が汽車を待っていた。そこに流れ者のペテン師がやって来る。彼は牧師が語る”恐ろしい裁判”の話に聞き入った。-------盗賊カラスコが新婚夫婦を暴行し夫を殺害した容疑で裁判が開かれた。カラスコはあっけなく罪を認めるが、被害者である妻は別の証言をする。更に、殺された夫が霊媒師の体を借りて二人とは違った証言をした。一体誰の言ってる事が本当なのか?事件の裏側に恐るべき真実が見えてくる。
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(レビュー)
 黒澤明監督の名作「羅生門」(1950日)を西部劇に舞台を移し変えてリメイクした作品。

 ストーリーはオリジナルをほぼ忠実にトレースしている。
 元々の本(ホン)が良質なので、それをトレースした本作も決して出来が悪いと言うわけではない。しかし、オリジナル版が持つパワー、熱度という点では遠く及ばず、傑作の域まで達していないといのが正直な感想だ。

 例えば、京マチコの情念、三船敏郎の凶暴さ、結末の重厚さ。このあたりはオリジナル版に比べると随分軽い描かれ方になっている。どちらが優れているという以前に、これは日本人とアメリカ人の気質の違いから来るものであって、もはや好みの問題というほかない。アメリカ版は向こう好みのライト傾向、日本版はヘビー傾向である。もっとも、両作品を見ているからこの比較が出来るのであって、一つの単品として見ればこれはこれで”あり”なのかもしれない。

 最近ハリウッドでは海外作品のリメイクがブームになっている。ネタ切れ、マンネリからの脱却と、色々といわれているが、良質なものを向こうの人達に”紹介する”という意味では決して悪いことではないと思う。ただ、アメリカ人気質というのは確かにあって、向こうには向こうの嗜好があり、それは我々日本人には理解不能なものである。ならば、オリジナル版を思い切り改変する大胆さも必要ではないだろうか。良し悪しは別として、そういったアレンジも時には必要な気がする。敢えてオリジナル版をそっくりトレースした本作の意味について、多少の疑問も起こった。確かにアレンジしたことで墓穴を掘った例もたくさんある。しかし、無難にトレースするよりも新機軸で物語を見せてくれた方がを、得てして傑作は生まれ易い。
 例えば、近年で言えば「ディパーテッド」(2006米)という作品があった。あれはオリジナル版の「インファナル・アフェア」(2002香港)の素材を借りて、見事に”アメリカならでは”のカラーを打ち出した好例だと思う。
 本作もそのようなスタンスで作っていれば、作品の出来、不出来はともかくとして”アメリカらしさ”という特色が出て評価の仕方も変わってきたように思う。

 尚、オリジナル版の三船敏郎が演じた役どころを、P・ニューマンが演じている。これが過剰なまでのダミ声で作為的でダメだった。終始違和感が拭えなかった。京マチコの方は、クレア・ブルームが中々の熱演を見せており良かった。
[ 2009/03/10 00:22 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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