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浪花の恋の物語

通俗的なメロドラマだが、ラストの演出が唸らせる。
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(2009/05/21)
中村錦之助有馬稲子

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「浪花の恋の物語」(1959日)星3
ジャンルロマンス
(あらすじ)
 浪花飛脚問屋の若旦那忠兵衛は、真面目で純情な青年。ある日、友人に連れて行かれた遊郭で梅川という女郎に出会い一目惚れする。彼女は病の母と借金を抱える不幸の身だった。それを知った忠兵衛は、ますます惚れ込み足繁く通った。そんなある日、梅川に身請けの話が持ち上がる。忠兵衛はそうさせじと奔走するが、住む世界が違う者同士。様々な難題が立ちふさがる。
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(レビュー)
 若い男女の純愛を哀愁タップリに描いたメロドラマ。

 人情ほど当てにならないものはない。世の中は金だ。金は嘘をつかない。
 こう書くと夢も希望も無いつまらない人間だと思われるかもしれないが、実際の話、愛があっても飯にはありつけない。拝金主義は嫌いだが、現実を考えるとやはり先立つものは金ということになる。

 忠兵衛と梅川が迎える悲劇的な顛末は、そのことをシビアに語っていると思う。メロドラマとしては当然の帰結とも言えるが、しかし無邪気にハッピーエンドにしなかったことはある意味で作り手側の良心だろう。

 しかし、正直に言うとこのメロドラマ自体、お世辞にも出来が良いとは言えない。悪人はいかにも悪人らしく、悲劇のヒロインはいかにも悲劇のヒロインらしく描かれていて、俗っぽくて俺にはダメだった。深みが足りない。

 ただ、そこに竹本座の作者近松門左衛門の視座が挿入されるのはアイディアとしては秀逸だと思った。彼等のメロドラマを客観的に見つめる近松の視座は、観客の視点として存在しているように思う。
 彼の視座が最も効果的な形で表れていたのがラストである。この人形浄瑠璃は、芝居がかった忠兵衛と梅川のメロドラマのメタファーとして格調高く機能しており、この世の無常に対する近松の憤り、諦めにも似た深い悲しみが投影されているように思った。現実と夢のギャップを、芝居という形でさりげなく訴えたこの演出には感嘆させられた。
[ 2009/03/22 01:57 ] ジャンルロマンス | TB(0) | CM(0)

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