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白昼の通り魔

コメディのようでありファンタジーのようであり‥。凄惨な青春犯罪ドラマ。
白昼の通り魔 [DVD]白昼の通り魔 [DVD]
(2006/04/27)
川口小枝小山明子

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「白昼の通り魔」(1966日)星3
ジャンルサスペンス・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 田舎から都会に出て家政婦の仕事をしているシノの前に、1年ぶりに昔の恋人栄助が現れる。シノを乱暴に犯すと家主を殺害して姿を晦ました。殺人犯とはいえ一度は愛した男である。シノは警察に栄助の事を中々話せなかった。変わりに、栄助の妻マツ子宛てに相談の手紙を書く。マツ子は中学校教諭をしている清廉潔白な女性。手紙を受け取っても彼女も栄助とは疎遠だったため、どうすることも出来ず、ただシノの相談を受け流した。実は、この3人にはかつて恐ろしい愛憎のドラマがあった。
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(レビュー)
 連続殺人暴行犯と二人の女性の愛憎を、冷徹な語り口と凄惨な光景で綴った大島渚監督の問題作。

 物語は現在進行のドラマと、過去のドラマで展開されていく。シノとマツ子、二人の女の微妙な心理合戦を描くのが現在進行のドラマ。中々見応えがあるが、何と言っても本作の見所は過去編になろう。いかに栄助が蛮行に走るようになったか?その原因が語られる。その直接の原因となる”ある事件”は衝撃的だった。

 まだ純情だった青年・栄助は美人教師マツ子に憧れを抱くが、彼女は聖女のごとく君臨する高嶺の花で”愛は分け与えるもの”という信条を持っている。そのため栄助の一方的な求愛は拒まれる。袖にされた彼の肉欲は今度は同級生のシノへ向かうことになる。そこにもう一人の同級生・源治が絡むことで、ドロドロとした四角関係にもつれ込んでいく‥。これが過去編の大雑把なあらすじだ。

 マツ子への叶わぬ思いが、栄助を粗暴な色魔に変えたことは言うまでも無い。と同時に、村長の地位を確約され将来を有望視される優等生、源治の存在もかなり大きい。彼に対するコンプレックスも、栄助を犯罪に走らせた大きな原因だったのではないだろうか。
 これは閉塞感漂う小村社会特有の病理と言える。外社会に出て行けず生まれ故郷でイジイジと過ごす若者たちの鬱屈した姿は、今村昌平監督の村落を舞台にした青春映画などを想起させる。ネットワークが発達した現代では余りピンと来ない設定かもしれない。しかし、当時はこうした内向きな暮らしを送っていた若者達がたくさんいた‥ということは確かなのだと思う。そう考えると、今作は極めて同時代的な観点を持ったドラマだと言う事が出来る。

 キャストでは栄助役を演じた佐藤慶の粗野な演技が印象深い。獲物=女体を求めるギラギラした目が強烈なインパクトを残す。

 演出面での特徴は、短いショットの連続と多用されるクローズアップが挙げられる。それによって作品全体は息苦しいほどの圧迫感に包まれている。カメラの絞りを開放することで白を基調とした画面構成もユニークな試みで、どこかこの世のものとは思えない幻想的で悪夢的な雰囲気を漂わせる。「白昼の通り魔」というタイトルにピッタリではないだろうか。
[ 2009/04/19 17:10 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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